Go to contents

繰り上げられた米国の緊縮時計、物価・金利・為替の三つの波も押し寄せている

繰り上げられた米国の緊縮時計、物価・金利・為替の三つの波も押し寄せている

Posted January. 07, 2022 08:33,   

Updated January. 07, 2022 08:33

한국어

米連邦準備制度理事会(FRB)が予想より早く、3月に基準金利引き上げなど、本格的な緊縮政策に乗り出すという見通しが強まり、韓国の金融市場と為替相場も乱高下し始めた。昨日、国内外の株価は急落し、対ドル・ウォン相場は取引中に一時、1ドル=1200ウォンを超えた。FRBが、グローバル金融危機後に供給された過剰流動性の回収に着手した2013年、新興国などに投資された資本が米国に急速に流入したことで発生した「緊縮発作」が再現されるのではないかという懸念も高まっている。

米FRBは、現在ゼロ水準の金利を3月に上げ始め、年内に1%まで引き上げるものと予想される。緊縮時期を繰り上げたのは、消費者物価の上昇率が約40年ぶりに最高に上がるなど、インフレをこれ以上見過ごすわけにはいかなくなったからだ。「1990年代後半の『ドットコムバブル』の時よりも深刻だ」という評価が出るほど、膨らんだ資産バブルも放置できない状態となっている。

米国の金利引き上げにより、韓国証券市場から外国人が流出すれば、株価に否定的な影響を及ぼし、ウォン安ドル高が進む可能性が高い。ウォン安ドル高は、韓国輸出品の海外での価格競争力を高める前向きな効果があるが、今のようにグローバル供給網が壊れた状況では、輸入消費財や原材料、燃料価格をさらに速いテンポで値上げさせることになる。実際、昨年12月、韓国の輸出額は史上最高だったが、輸入額はさらに増え、貿易収支は20カ月ぶりに赤字へと転じた。輸入物価の上昇は、国内物価の上昇へとつながって庶民生活を圧迫し、消費を萎縮させ、景気回復の足を引っ張りかねない。

さらに大きな問題は負債だ。韓国銀行・金融通貨委員会は14日、1.0%の基準金利の引き上げに踏み切り、年内に1.75%まで引き上げる見通しだ。我先に「借金」で住宅を購入し、負債規模が国内総生産(GDP)を超えた家計と、営業制限の中で赤字で耐えたために借金が急増した自営業者共に、利子負担はさらに増える。3月に自営業者や小商工人向け融資の満期延長措置が終われば、自営業者や中小企業が相次いで倒産する事態が起きる可能性もある。

「緊縮の時代」が目前に迫っただけに、家計は無理に融資を受けてマンションや株式などの資産投資に乗り出すことを慎まなければならない。自営業者や中小企業もさらに腰ひもを締め付け、流動性を確保して備えるしかない。特に、政府は物価や金利、為替相場の3大指標の高騰を食い止めるため、積極的に管理に乗り出すと同時に、政界からの無理な財政支出の拡大要求を断固として阻止しなければならない。