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尹錫悅選対委の内紛「こんなこと初めて」

尹錫悅選対委の内紛「こんなこと初めて」

Posted December. 22, 2021 08:25,   

Updated December. 22, 2021 08:25

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第20代大統領選挙をわずか2カ月後に控え、最大野党「国民の力」の尹錫悅(ユン・ソクヨル)候補選挙対策委員会の内紛が佳境に差し掛かっている。李俊錫(イ・ジュンソク)党代表が一昨日の中央選挙対策委員会会議でメディア報道に対する公報団の機敏な対応を求めたことを受け、公報団長の趙修眞(チョ・スジン)党最高委員が、「私は(尹錫悅)候補の指示だけを受ける」と反発して問題となった。趙氏は、会議直後に謝罪した後も、数人の記者に李代表を非難するユーチューブ映像を送った。李代表は、「謝罪とも言えない謝罪を見るとあきれる」と言って選対委のすべての役職から退いた。党内で「こんなことはこれまで見たことがないので驚いた」という反応が出るほど、選対委首脳部の乱脈ぶりが明らかになったのだ。

今回の事態は、李代表と趙氏との個人的な対立のレベルを越え、四分五裂した尹錫悅選対委の現状を端的に示している。尹氏側と金鍾仁(キム・ジョンイン)総括選対委員長、李代表が選対委の主導権をめぐって神経戦を繰り広げ、選対委の発足は1ヵ月以上遅れた。その後、選対委の運営開始で内紛が収まるかのように見えたが、実際に尹氏直属組織と「金鍾仁組織」「キム・ハンギル組織」などに分かれていると指摘する声が絶えなかった。古い「派閥政治」が復活した雰囲気だ。このような分裂が放置されたため、総力を傾けるべき大統領選挙キャンペーンでは見られない非倫理的なドラマが繰り広げられたのではないか。

今、尹錫悅選対委は、恐竜のように組織が巨大化している。大統領選後の論功行賞でポストを確保しようとする人々が集まっているからだ。機能と役割の調整もなしに人が増えるため、中身のない会議だけが頻繁になったという自嘲混じりの見方が出るほどだ。相対的に高い政権交代世論だけを信じて過去の既得権に胡坐をかいてポスト争いばかりする「ウェルビーイング政党」の慢性病がまたぶり返したようだ。

今回の事態を見守ってきた尹氏の対応も、安易すぎたという指摘は避けられない。事態初期には2人の対立について、「それがまさに民主主義ではないか」と大したことではないという反応を見せた。遅ればせながら趙氏に連絡し、李代表を訪ねて謝罪するよう勧めたが、李代表の選対委辞任を阻止することはできなかった。選対委内部でビジョン・政策と戦略をめぐる活発な討論は必要だ。だからといって、個人の意見だけを好き勝手に言いまくるようでは困る。大統領選挙キャンペーンの司令塔である選対委の綱紀と機能など、運営上の問題があれば、尹氏が直接乗り出して調整して解決しなければならない。