Go to contents

金正恩氏の失われた10年、いつ爆発するかわからない時限爆弾となった北朝鮮

金正恩氏の失われた10年、いつ爆発するかわからない時限爆弾となった北朝鮮

Posted December. 18, 2021 08:36,   

Updated December. 18, 2021 08:36

한국어

北朝鮮は17日、故金日成(キム・ジョンイル)総書記の10周忌を迎えて追悼ムードを盛り上げ、金正恩(キム・ジョンウン)総書記に対する忠誠と唯一指導体制の確立を強調した。中国共産党の機関紙「人民日報」は、「金正恩同志の思想と指導に忠実に従うことに、(金正日)将軍様に対する道徳的義理を尽くす道がある」と強調した。国連総会は同日、北朝鮮人権決議案を無投票でのコンセンサス(議場の総意)で採択した。2005年以降17年連続の採択だ。また、米国は国家別テロ報告書を公開し、北朝鮮を「テロ支援国」名簿に残した。 

故金正日総書記の10周忌を迎えた北朝鮮の姿は、先代の命日に代をついで忠誠を誓わせる世襲王朝の風景と大差ない。金日成―金正日―金正恩の3代にわたる「民主主義人民共和国」の現住所は、21世紀の世界に起こる超現実的な事態だ。それゆえ国連の対北朝鮮人権決議は北朝鮮の残酷な現実を暴き出す告発状に相違ない。決議文は、北朝鮮の組織的で広範囲な人道に対する罪を糾弾し、「最も責任ある者」に対する追加制裁を考慮するよう勧告した。

正恩氏は、政権初期には祖父、父とは異なる変化の姿を見せ、一抹の期待を持たせた。しかし、市場を活性化して対外貿易を拡大した一部の措置は長続きしなかった。核・ミサイル開発に拍車をかけて対外挑発と脅迫に乗り出したため、一層強力な国際社会の制裁措置に直面し、自ら孤立の道に追い込んだ。その結果、北朝鮮経済は10年前より縮小し、住民は一時の空しい夢にため息をついている。

にもかかわらず正恩氏は、「人民大衆第一主義」、「国家第一主義」を掲げ、「為民の指導者」を自任している。このような見かけ倒しの恐怖の独裁体制がいつまでも続くことはできない。いくら首領の周辺に忠誠派で鉄の城を築き、隙のない監視と抑圧の装置を備えたとしても、飢えた住民の不満と怨念の声を抑えることはできない。核の宝剣や戦略ロケットを前面に出した物神崇拝的イデオロギーでは住民の空腹を満たすことはできない。

選択の岐路に立たされているのは、去る10年間機会を失ってきた正恩氏だ。彼は今年末、労働党全員会議を控え、分野別事業総和で忙しい。いつものように、総和の結果に出てきた大層なスローガンが新年の言葉を飾り、挑発と融和を行き来することを望む対外政策も明らかにするだろう。正恩氏は今年、米国の対話要請を拒否し、時間を浪費してきた。その間に内部の時限爆弾を解除する時間も迫っている。今からでも機会を逸してはならない。