
史上最大規模となる1兆3000億ウォン相当のヒロポンをメキシコから密輸した容疑者が検察に逮捕された。摘発されたヒロポンは1350万人が同時に使用できる量だ。
釜山(プサン)地検の反腐敗・強力捜査部は1日、メキシコからヒロポン404.23キロを隠密に持ち込んだ罪(特定犯罪加重処罰などに関する法律違反)でA容疑者(35)を拘束起訴したと明らかにした。
今回押収されたヒロポンは、国内で検挙された麻薬密輸事件史上最大規模だ。これまで単一事件で検挙された最大規模の麻薬は2018年の112キロだった。
A容疑者は、2019年と昨年7月の2回にわたってメキシコから「ヘリカルギア」(はすば歯車)20個にヒロポン904キロを隠して国内に密輸入した。このうち、500キロを豪州に輸出したが、5月に豪州連邦警察に検挙され、その実体が明らかになった。ヘリカルギアは、歯車の歯筋が斜めになっている円筒形ギアで、主として航空機や船舶の減速装置として使われる。
A容疑者は豪州への輸出が難しくなると、国内の保管場所を随時変更してきたという。今回検挙された覚せい剤は豪州に輸出して余ったもので、国内で流通されるのを未然に防いだところ大きな意味がある。
検察は、海外に滞在しながらA容疑者に犯行を指示した豪州国籍のB氏を追跡している。検察は、A容疑者ら国際麻薬取引業者たちが豪州に麻薬を密輸する経由地として韓国を利用したものと見ている。メキシコから豪州に直接ヒロポンを密輸するより、韓国など第3国を経由することで相対的に摘発される可能性が低いことを悪用したのだ。
釜山地検の関係者は、「捜査着手の段階から釜山税関と米国麻薬取締局(DEA)などと協力して共犯の身柄確保に乗り出す予定だ」とし、「多角化する麻薬類密輸犯罪の撲滅に向けて関係機関と協力していきたい」と話した。
釜山=キム・ファヨン記者 run@donga.com