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森を生かしたいなら、放っておいてほしい

森を生かしたいなら、放っておいてほしい

Posted June. 26, 2021 08:10,   

Updated June. 26, 2021 08:10

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「森は病弱な患者と同じだ」

著者は、自分が一時勤めたドイツ山林庁がこのように森を眺めたと言う。森が病気などから安全に保護されるためには、専門家らの手助けが必要だという考え方だった。これは人為的な介入につながった。山林庁は、高齢の木々を伐採し、血気盛んな若い木々に植え替え、虫を撲滅するため、殺虫剤を散布した。

20年間、ドイツ・ラインラント=プファルツ州の山林監督官などを務めた著者は、自然保護という名目の下で行われたことが本当に自然のためのことなのか、根本的な質問を投げかける。ドイツの山林政策には、森の主人である木と生物を中心に置く見方が欠けているという。 彼は人間の介入なしに、森が自ら呼吸できるようにほっておくことを勧める。木が地中の微生物と疎通し、共存できるようにしなければならないという意味だ。また、寿命を全うした木々が、死を迎えてから幼い木々が成長する自然の純理に従わなければならないという。

著者は、グリーンエネルギーとして知られている風力発電やバイオマスが、木や森の犠牲の上に建てられていることも告発している。山に風力発電機を建てるためには、木々を大量に伐木しなければならない。この過程で、土に貯蔵された二酸化炭素も大量に排出される。また、風力発電機の翼にぶつかって鳥が死んだり、野生動物の生息地が破壊されたりもする。グリーンエネルギーの裏に隠れた副作用を告発する著者は、まずエネルギー消費から減らすことが必要だという結論を下している。


金哉希 jetti@donga.com