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ブラームスの切なく危険な愛、21曲の歌と演技で解きほどく

ブラームスの切なく危険な愛、21曲の歌と演技で解きほどく

Posted May. 17, 2021 09:06,   

Updated May. 17, 2021 09:06

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13~16日、ソウル中区(チュンク)の国立劇場タルオルム劇場で行われた国立オペラ団の叙情オペラ「ブラームス…」は、韓国の音楽劇の歴史において独特の領域を占める作品だ。ブラームスとシューマンの原曲や編曲の19の「ナンバー」で構成され、創作曲2曲もブラームスの作品の旋律を取り込んだ。

作曲と編曲は、昨年国立オペラ団の創作オペラ「レッドシューズ」で高い評価を受けた作曲家のチョン・イェウンが務めた。ハン・スンウォンが演出と台本を担った。ピアニストのソン・ジョンボムがピアノの前で若いブラームスを演じ、バレリーナのキム・ヨンゴルが踊りでブラームスを表現するなど多彩なジャンルのアーティストが舞台に花を飾った。ヨ・ジャギョンが指揮するクリム・チャンバー・オーケストラが舞台に上がり、楽団を囲む簡素な舞台装置を背景に出演者が演技と歌を繰り広げた。

クララ・シューマン(クララ)へのブラームスの愛を枠に、ロベルト・シューマン(シューマン)とブラームスの歌曲などの作品を縦糸と横糸のように織り込む劇の構成は、二大作曲家の魅力的な音楽に支えられ、穏やかな説得力で心に迫る。ブラームスのピアノソナタや歌曲の伴奏部を室内管弦楽用に編曲したチョン・イェウンは、ブラームス管弦楽特有のうらさびしさと絶えず流れる躍動感をうまく再現した。ピアニトであり有能な作曲家だったクララの作品が劇に挿入されても良かっただろう。ピアノ三重奏の作品17のスローな楽章が入ったなら良い効果を出しただろう。

 

公演初日の13日、ブラームス役を務めたベースのパク・ジュンヒョク、クララ役のソプラノのパク・ジヒョン、シューマン役のテナー、チョン・ウィグンはそれぞれの曲の雰囲気を落ち着いて正確に表現した。しかし、3人の主役皆、自身の感情線を浮き彫りにして、伴奏部とともにクライマックスまで力強く引っ張っていく力は不十分だった。一方、クララ役のソプラノは歌だけでなく舞踊、ピアノ演奏まで「本業」でない2つの役割を消化しなければならない。13日の公演でクララ役を務めたパク・チヒョンは、これら全てを完璧にやり遂げた。

今回の公演は、国立オペラ団がこの作品を長期公演または巡回公演のレパートリーに採択できる可能性を見せた。ブラームスが活動したドイツやオーストリアの舞台の挑戦も考えてみる価値がある。いくつかのパートでは、韓国人の手でドイツの旋律にドイツ語の歌詞が付けられた。ドイツの舞台に立った時の評価が気になる。


ユ・ユンジョン文化専門記者 gustav@donga.com