森の中に多少狭く、長く伸びている530ヤード(約485メートル)の16番(パー5)。暫定12アンダーでブルックス・ケプカ(30=米国)と首位に並んだジャスティン・トーマス(27=米)は力強くティーショットを打ったが、ボールは右の森の中に入った。
トーマスは低めの2打目を打った後、「ああ!」とため息を吐いた。ボールが木に当たって左に曲がり、バンカーのすぐ前に落ちたからだ。
残り64ヤード(約58メートル)。トーマスは巧みなショートゲームでボールをカップ90センチに寄せて、バーディーを奪った。ティーショットと2打目は芳しくなかったが、絶妙なアプローチショットで勝利を予感させた。
テネシー州メンフィスのTPCサンスウィンド(パー70)で行われた米男子ツアー(PGA)、世界選手権シリーズのWGCフェデックス・セントジュードインビテーショナルで最終ラウンドで、5アンダー65をマークし通算13アンダー267で優勝した。通算10アンダー270をマークしたケプカら共同2位グループを3打差で振り切った。3日までトップに4打差の5位だったトーマスは、「逆転優勝は自分には大きな意味がある」とし、「運も味方したけど、何よりも厳しい状況をうまく克服し、よく耐え、前向きな態度を失わなかった」と優勝の感想を語った。
今大会の優勝でトーマスは3位だった世界ランキングを1位に引き上げた。2018年に4週間、世界ランク1位だったトーマスは、2年ぶりに再び最高の座に返り咲いた。シーズン3勝目を飾ったトーマスはツアー通算13個目のツアー優勝トロフィーを集めた。歴代のPGAツアーで27歳までに通算13勝を挙げた選手は、トーマスはじめタイガー・ウッズ(45=米)、ジャック・ニクラス(80=米)、ローリー・マキロイ(31=北アイルランド)の4人だけだ。
トーマスは優勝賞金182万ドル(約21億7000万ウォン)を獲得し、累計賞金720万ドル(約86億ウォン)で賞金ランキング1位の座を守った。フェデックスカップ・ポイントも1位(2439点)。
トーマスと優勝を争ったケプカは最終ホールの18番(パー4)でティーショットをあたり損ねたのが手痛かった。トーマスを1打差で猛烈に追い上げていたケプカは17番で攻撃的にティーショットを打ったが、ボールがウォーターハザードに落ちた。罰打を受けての3打目もバンカーに入り、ケプカは結局ダブルボギーでホールアウトした。ケプカが18番をミスしないでパーセーブで締めたなら、単独2位の賞金115万ドル(約13億ウォン)を獲得できるところだったが、2打を失ってフィル・ミケルソン(50=米)、ダニエル・バーガー(27=米)、トム・ルイス(29=イングランド)らと同じ10アンダーとなり69万5000ドル(約8億3000万ウォン)の賞金を手に取ることになった。
3日目までトップに1打差の2位タイとなり、PGAツアー初勝利への期待を集めたアン・ビョンフン(29)はスコアを3つ落とし、12位タイ(通算8アンダー272)に終わった。
キム・ジョンフン記者 hun@donga.com
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