
「ウクライナ疑惑」をめぐるトランプ米大統領への弾劾手続きで、大統領に不利な証言をした軍人が退役することになった。8日(現地時間)、米紙USAトゥデイなどは、トランプ氏の報復性人事で、国家安全保障会議(NSC)から追い出されたアレクサンダー・ビンドマン陸軍中佐がついに軍服まで脱ぐことになったと報じた。
ビンドマン氏は最近、陸軍幹部に、「私の人事にホワイトハウスが介入しようとしていることを知り、次の職務である国防大学に行かず、軍を去ることを決心した」と話したという。
ビンドマン氏の弁護士は声明で、「ビンドマン氏は、ホワイトハウスの圧力で21年以上忠実に勤めた軍での未来が永久に限られたものになることが明白になり、今日退役する」と明らかにした。また、「いじめや脅し、報復を通じて、大統領はビンドマン氏に選択を強要した」とし、「これは法に従うか、大統領を喜ばせるか、自身の宣誓を守るか、経歴を守るかを選ばせようとした」と批判した。そして、「このような選択は、国家に奉仕するために人生を捧げた人が迫られてはいけない」と指摘した。
NSCのウクライナ担当だったビンドマン氏は昨年11月、下院公聴会で、「トランプ氏がウクライナにバイデン前副大統領親子に対する捜査要請をしたことをウクライナは指示と受け止めただろう」と証言した。今年2月の無罪評決後、ビンドマン氏はNSCのウクライナ政策担当を更迭された。ホワイトハウスはその後もビンドマン氏の昇進に否定的な反応を示した。
しかし、最近、国防総省内の人事担当者は、「ビンドマン氏が昇進に必要な条件を全て満たした」とし、ビンドマン氏を含めた昇進対象者リストをエスパー国防長官に提出した。エスパー氏は6日、リストを承認したというが、この人事案がホワイトハウスに上がった時、トランプ氏がビンドマン氏の名前を削除するという見方が多かった。ある消息筋はCNNに、「このような実務レベルの人事にまでホワイトハウスが介入するのは不合理であり、ぞっとすること」と話した。
ワシントン=イ・ジョンウン特派員 lightee@donga.com