李在明(イ・ジェミョン)大統領は20日の閣議で、「国民の世論は、電力問題を解決するには原発が必要だという点で圧倒的だ、ということですね」と述べた。原子力発電所2基と小型モジュール炉(SMR)1基の追加建設をめぐる世論調査で、建設賛成が高率を占めた結果を、そのまま受け入れる姿勢を示した発言と受け止められる。これにより、李在明政権が脱原発路線から離れ、実用主義に基づくエネルギー政策へと転換する可能性が高まった。
気候エネルギー環境部が最近、韓国ギャラップとリアルメーターに依頼し、国民3000人を対象に実施した調査では、回答者の約7割が新規原発建設に賛成したとされる。報告を受けた大統領が金星煥(キム・ソンファン)長官に内容を再確認し、「その通りだ」との答えを得たという。大統領は「これが理念化、議題化され、合理的議論より政治闘争のようになる傾向があるが、それを最小化し、十分に意見を集約せよ」と指示したと伝えられる。
新規原発の2基建設は、与党「共に民主党」と野党「国民の力」が合意し、昨年2月に確定した「第11次電力需給基本計画」に盛り込まれた。その後、昨年9月に「原発建設には最低15年かかる。建てる場所がない」との大統領発言があり、新設された環境当局が再公論化の必要性に言及したことで、計画が覆るとの観測も出ていた。今回の閣議での発言は、そうした懸念を払拭し、国家エネルギー政策の混線を整理した点で評価できる。
韓国が置かれた経済・安全保障環境を踏まえれば、大統領の姿勢転換は必然だったと言えよう。政府が掲げる「AI3大強国」の目標達成には、再生可能エネルギーだけでは不十分で、安定的かつ低コストで温室効果ガスを排出しない原発の活用が欠かせない。産業用電力料金は中国はもとより米国を上回る水準となり、潜在成長率3%回復の目標を脅かしている。高い技術力を誇るK原発が、国内論争に足を取られ、「世界的原発ルネサンス」という好機を逃す懸念も現実味を帯びる。
製造業大国ドイツは急速な脱原発の後、ロシアのウクライナ侵攻を受けて電力料金が急騰し、産業競争力まで大きく損なわれた。福島第一原発事故を経験した日本でさえ、原発再稼働を拡大する方向に舵を切っている。韓国の政府と政治圏は、現実から乖離したエネルギー理念論争を終わらせ、合理的代案を競い合う段階に入るべきだ。
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