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米空軍の「死の白鳥」、金正恩氏が滞在する元山付近で飛行訓練

米空軍の「死の白鳥」、金正恩氏が滞在する元山付近で飛行訓練

Posted April. 24, 2020 08:21,   

Updated April. 24, 2020 08:21

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米空軍のB-1B超音速戦略爆撃機が23日、日本列島の韓半島の近くで、在日米軍や日本の航空自衛隊の戦闘機と飛行訓練を実施した。この過程でB-1B爆撃機は、健康不安説が流れている北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が滞在しているとされる江原道元山(カンウォン・ウォンサン)からわずか800~900キロ離れた日本付近の上空も通過したことが確認された。

「死の白鳥」と呼ばれるB-1B爆撃機が、韓半島周辺に公開的に展開したのは2017年12月に韓米合同空軍演習「ビジラント・エース」に参加して以来2年4ヵ月ぶり。正恩氏が長期間にわたって姿を現さないなど敏感な時期に、米国が北朝鮮が最も恐れる戦略兵器を韓半島付近に投じた背景と今後の北朝鮮の反応が注目される。

軍用機追跡サイト「エアークラフト・スポット」によると、同日午前、米サウスダコタ州エルスワース空軍基地所属のB-1B爆撃機1機が、北極海とベーリング海を経て青森県の三沢基地付近の上空に飛んできた。B-1Bは、この付近で在日米軍のF-16戦闘機、日本航空自衛隊のF-2戦闘機などと共に合同飛行訓練を実施した。

その後、日本列島に沿って沖縄付近まで南下した後北上し、米本土の基地に戻ったという。往復で計2万キロを超える長距離展開訓練を実施したのだ。

米太平洋空軍司令部は同日、ホームページに関連写真を公開し、「(日米両国の)『強固な同盟』を示す躍動的な戦力展開を披露した」とし、「今回の訓練は、日米の対応能力の強化と地形熟達の向上が目的だ」と明らかにした。北朝鮮の挑発など韓半島を含む域内の危機状況を想定した日米合同訓練であることを示唆したのだ。

韓半島周辺に米爆撃機が展開したのは、昨年10月のB-52爆撃機2機が大韓海峡を経て東海(トンヘ)上に展開して以来。当時、米国が非核化交渉の期限を控え、北朝鮮に挑発するなという警告を送ると共に、ロシア軍用機の韓国防空識別圏(KADIZ)への進入を阻止するためと分析された。

今回のB-1B爆撃機の韓半島周辺の展開も、北朝鮮に対する牽制のための武力示威という観測が流れている。最近まで対南攻撃のための新型兵器や巡航ミサイルなどを相次いで発射し、韓半島の緊張を高めた北朝鮮に、米国が追加挑発を自制するようメッセージを送ったということだ。軍消息筋は、「正恩氏の健康不安説を払拭させるために、北朝鮮が再び武力示威に出ることを事前に抑止する狙いがある」との考えを示した。

正恩氏が参加しなかった故金日成(キム・イルソン)主席の誕生日(15日)を前後して、米の主力偵察機が相次いで韓半島に投入されて北朝鮮を隅々まで調べると共に、米の核心戦略兵器がいつでも韓半島に投入できるということを北朝鮮に警告したということだ。別の軍消息筋は、「正恩氏が健康に何の問題もないなら、遠からずミサイル発射現場の視察など健在であることをアピールする『軍事イベント』に出る可能性がある」とし、「このような状況を念頭に置いた米国の軍事的布石かもしれない」と話した。

これと共に最近、グアムのアンダーソン基地に配備されたB-52爆撃機5機を全て本土に撤収させるなど域内の爆撃機前陣配備を中断した後も、米国の北朝鮮に対する拡大抑止態勢には何の問題もないということを示す措置ともみえる。


尹相虎 ysh1005@donga.com