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米コロナ支援、小切手にトランプ氏の名前

Posted April. 16, 2020 07:49,   

Updated April. 16, 2020 07:49


米政権が、新型コロナウイルスの感染拡大による経済衝撃を緩和するために国民に配る小切手にトランプ大統領の名前を入れるよう指示したと、米紙ワシントン・ポストが14日付で報じた。米大統領選を控え、政治宣伝のために税金を利用しているという批判が出ている。

同紙によると、米財務省は前日、新型コロナウイルスの景気刺激策で国民に配る小切手の左に「ドナルド・トランプ大統領」と名前を印刷するよう小切手の発行を管理する内国歳入庁に指示した。内国歳入庁が発行した小切手に大統領の名前が登場するのは初めて。これに先立ち、トランプ政権は先月27日、大人1人当たり最大1200ドル(約146万ウォン)を支給するなど2兆2千億ドル(約2675兆ウォン)規模の超大型の経済対策を実施した。

当初、トランプ氏はムニューシン財務長官に小切手に署名することを提案した。しかし、財務省は支給する小切手に署名する権限がないだけでなく、政府発行の小切手には政派性論議を避けるために任命職公務員が署名するのが慣行だとして反対した。このため、小切手のメモ欄の「経済的衝撃にともなう支給」という言葉の下にトランプ氏の名前を入れることになったと、同紙は伝えた。署名を入れる作業で支給が数日遅れるという。

トランプ氏の名前が入った小切手を受け取る米国民は約7千万人にのぼる。彼らの多くは低所得層で、銀行口座の情報がなく、郵便で小切手を受け取ることになる。米内国歳入庁は早ければ来週から9月まで、毎週小切手500万枚を郵便で配る計画だ。口座情報がある国民は口座に直接小切手を受け取ることになる。

新型コロナウイルスの感染拡大で選挙運動が事実上中断した中、国民に支給される小切手にトランプ氏の名前が入ることは、「税金の政治化」という批判が出ている。ブッシュ元大統領は、好況期だった2001年、国民に300~600ドルの小切手を渡し、小切手と同封した手紙に「あなたのお金を返します」という言葉を入れてほしいと内国歳入庁に要請した。当時、内国歳入庁は「過度に政治的」という理由でこの要請を拒否した。野党民主党のペロシ下院議長は先週、新型コロナウイルスの小切手にトランプ氏の署名や名前が入ることに反対した。


イ・ユンテ記者 oldsport@donga.com