Go to contents

金正恩氏、「米の善意のない態度で、原点に戻りかねない状況」

金正恩氏、「米の善意のない態度で、原点に戻りかねない状況」

Posted April. 27, 2019 08:32,   

Updated April. 27, 2019 08:32

한국어

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長がロ朝首脳会談で、「米国が善意のない態度を取ったことで、全てのことが原点に戻りかねない状況だ」と明らかにしたと、朝鮮中央通信が26日付で伝えた。ハノイでの米朝首脳会談の決裂後も「ビッグディール」圧力を続ける米国に対して、「非核化対話前」の状態に戻る可能性があると警告したのだ。さらに北朝鮮メディアは、4・27板門店(パンムンジョム)宣言1周年の前日、韓国政府に「右往左往するな」と不満を述べた。

金正恩氏は同日、3日間のロシア訪問を終えて午後3時頃(現地時間)、帰国の特別列車に搭乗した。韓米に対しては非難する一方、約45時間ウラジオストクに滞在し、ロシアとの非核化協力に力を入れた。

●板門店宣言1周年に「すべてが原点に戻りかねない」と警告

金正恩氏が25日、ロシアのプーチン大統領に、「朝鮮半島の平和と安全はすべて米国の今後の態度によって左右されるだろう」と述べたと、朝鮮中央通信が26日、伝えた。

そして、「(ハノイ会談で)米国が一方的で善意のない態度を取ったことで、朝鮮半島情勢が膠着状態に陥り、原点に戻りかねない危険な状況に至った」と強調した。また、「あらゆる状況に備える」とも述べた。米国の圧力ムードに変化がなければ、追加のカードを出す可能性があると警告したのだ。ただし、プーチン氏が25日の記者会見で明らかにした「6者協議」、「体制保証」についての言及はなかった。

韓国政府に対しては、北朝鮮メディアが「時代の流れを正確に読んで右往左往するな」などと非難した。対南宣伝メディア「我が民族同士」は、「南北宣言の履行で右往左往してはならない」という題名で、「誰かの顔色をうかがったり、ほかのことに神経を使って無意味な時間を過ごしてはいけない」と強調した。対外宣伝メディア「朝鮮の今日」は、「私たちの原則的な立場に歩調を合わせ、実践的な行動で肯定的に答えなければならない」と主張した。4・27板門店宣言1周年の前日、韓国と米国の制裁協力に不満を吐露したのだ。

●プーチン氏の訪朝約束取りつけ、笑顔で帰国

到着した時の悪かった天気とは違って、26日に金正恩氏が帰国する時、ウラジオストクの天気は快晴だった。金正恩氏は、ウラジオストク駅前で行われた歓送式に黒い帽子とコート姿で登場し、到着時のようにコートの中に右手を入れ、明るく笑った。ロシア軍楽隊は北朝鮮の国歌を演奏し、「アリラン」を2回演奏して歓送した。約7分間の歓送式が終わると、金正恩氏は駅構内に入っていった。

北朝鮮側儀典チームは、現場に集まった人数の把握に特に神経を使っていた。北朝鮮側儀典当局者は、金正恩氏が到着する約20分前、駅前の通りの統制状況を上部に報告し、「群衆はあまりいない」と繰り返した。

これに先立ち金正恩氏は同日、計画された日程の半分だけ消化し、予定よりも早く帰国の途についたという。インタファクス通信は、「金正恩氏が4つの日程を消化し、午後10時に出発する予定だったが、『ある理由』で予定が前倒しされた」と伝えた。金正恩氏は、太平洋艦隊司令部付近の戦没勇士追悼碑に献花し、父親の故金正日(キム・ジョンイル)総書記が2002年に訪問した高級レストランで昼食をとった。

一方、朝鮮中央通信は25日、単独会談の内容を伝え、「(ロ朝首脳が)新しい世紀を志向した朝ロ親善関係の発展を追求する具体的な方向と措置について合意し、協力問題を真剣に議論し、見解が一致した」と伝えた。共同宣言や合意文はなかったが、非核化や経済協力と関連して北朝鮮の要求をロシアがかなり受け入れた可能性がある。金正恩氏が都合のいい時期に北朝鮮を訪問してほしいと招待すると、プーチン氏が「快く受諾した」と北朝鮮メディアは伝えた。


黃仁贊 hic@donga.com · 韓基渽 record@donga.com