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「あのロミオが…」、俳優朴正民の再発見

Posted December. 16, 2016 08:43,   

Updated December. 16, 2016 08:45

俳優朴正民(パク・ジョンミン)の発見だった。主に映画やドラマで活動した俳優だが、優れた発声や正確な発音は、まるで演劇舞台に特化した役者のようだった。

演劇「ロミオとジュリエット」は、同い年の俳優である朴正民と文瑾瑩(ムン・グンヨン)の出演で期待を集めた作品だ。真ん中の髪の分け目に純白なドレスをまとって舞台に立ったジュリエット役の文瑾瑩は、きれいで愛らしかったが、演技の面では物足りない気持ちだった。劇中のジェリエットの年齢が10代とはいえ、彼女の言葉遣いからは10年前の映画「幼い花嫁」の女子高校生の言葉遣いを時々滲ませた。

ロミオが自分の兄を殺したことを知るシーンや、42時間だけ死ぬ薬を飲んでから目覚めた時に、傍で自殺したロミオを見つけるシーンなど、ジュリエットの嗚咽のシーンが何度か登場するが、文瑾瑩の演技ではあまり胸を打つものがなかった。特に乳母である俳優のぺ・ヘソンと一緒に登場するシーンが多いが、ジュリエットよりは、老練な感じのするぺ・ヘソンの演技の方がさらに目を引いた。ただ、出演役者の大半が登場する舞踏会でのダンスのシーンなどでの文瑾瑩は、彼女ならではの愛らしさや魅力的な姿を誇った。

朴正民の演技は違っていた。その時々深く打ち込む感情が、客席に座っている観客にそのまま伝わってきた。ジュリエットが死んだという知らせを聞く瞬間、目の色が変わる演技は優れたものだった。演技全体から落ち着きが感じられ、主人公として中心となって脇役役者らを率いる姿だった。何よりも、演技から自然さが滲み出てきて、舞台では「朴正民」ではなく「ロミオ」が見えた。

演出家・ヤン・ジョンウンの洗練したミザンセーヌの演出も褒めたいと思う。ボックス形の舞台に、バルコニーや登場・退場のドア、傾いた道のほか、これといった舞台セットはないが、きれいな色感の照明を使って、舞台に洗練さを加えた。2017年1月15日まで、ソウル国立劇場・タルオルム劇場。入場料は3万3000〜6万6000ウォン。お問い合わせは1544-1555★★★



金正恩 kimje@donga.com