与党セヌリ党の新しい院内執行部のスタートを機に設けられた朴槿恵(パク・クンヘ)大統領と金武星(キム・ムソン)代表などセヌリ党執行部の16日の大統領府会合は、和気あいあいとしたムードだった。大統領府関係者は、「出席者は笑みを浮かべ、何度も言葉をかけ合った」と伝えた。朴大統領は、セヌリ党執行部に「与党・内閣・大統領府が一つになって、国民中心の政治をしてほしい」と呼びかけ、金代表は「大統領の成功が私たちの成功と考え、大統領の成功のために党が責任を負う姿勢で共に進む」と答えた。
党と大統領府は、政権を創出した「共同大株主」として、政権の成功と国政運営に向けて常に膝を突き合わせて疎通しなければならない。にもかかわらず、党・大統領府の会合がニュースの種になる現実は、逆説的にこれまでの党・大統領府の関係が極めて非正常であったということだ。国会法改正案問題や劉承ミン(ユ・スンミン)前セヌリ党院内代表の進退をめぐって起こった最近の与党の内紛も、結局は誤った党・大統領府関係と「不通」から始まった。党と大統領府いずれにも過ちはあるが、特に朴大統領の責任が重い。
朴大統領と与党執行部の今回の会合は今年2月以来5ヵ月ぶりで、朴大統領と金代表の単独会合も4月以来3ヵ月ぶりだ。秘書室長や政務首席など「代理人」による「代理政治」で、党・大統領府間に真の疎通をもたらすことができるのだろうか。これもスムーズではなく、回数も少なかったのが現実だ。公務員年金改革案と結びついた国民年金改革と国会法改正案をめぐって、党・大統領府が対立したことは、全面的に疎通不在による。
円滑な与党・内閣・大統領府間の関係も、朴大統領が与党執行部に頼むことではなく、自らの信念で先頭に立たなければならない。朴大統領の発言を見ると、まるで自分は後ろに退いて見守るので残りの人々が上手くやってほしいというように聞こえる。与党・内閣・大統領府間の関係や国会との関係で大統領は指示をして建議も受ける統治者ではなく、共に対話し、解決策を模索する政治家であり行政首班として行動しなければならない。
党・大統領府が真の疎通と水平的関係を築くには、朴大統領が統治者の位置で、施すように機会を与える党・大統領府会合ではいけない。代理政治ではなく直接政治でなければならない。与党代表と首相、大統領秘書室長が参加する与党・内閣・大統領府間の会議に、秘書室長ではなく朴大統領が参加することから始める必要がある。






