米国が、北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対処するために高高度ミサイル防衛(THAAD)システムの韓半島永久配備(permanent stationing)を考慮していると、米国務省高官が19日(現地時間)、明らかにした。
最近訪韓したケリー国務長官とヘーゲル前国防長官が、ソウルでTHAADシステム配備の必要性について言及したのに続いて出た発言であり、オバマ政府が公論化に本格的に着手したのではないかとの観測が流れている。
米国務省のローズ次官補(軍縮・検証・履行担当)は同日午後、ワシントン国会議事堂のレイバーンビルで韓米研究所(ICAS)の主催で開かれた討論会に演説者として出席し、「米国は、韓半島にTHAADの永久配備を考えている」と明らかにした。そして、「最終決定ではなく、韓国政府と公式の協議もしていない」と付け加え、米政府内で検討段階であることを示唆した。米政府関係者がTHAADの韓半島永久配備の可能性について言及したのは初めて。ローズ次官補は、昨年からTHAADの韓半島配備について積極的に発言してきた人物だ。
ローズ次官補は、THAAD配備をめぐる周辺国の反発に対して、「THAADは、ロシアや中国の広範囲な戦略的能力に影響を与えず、また与えることもできない」とし、「THAADが韓国で稼動した場合、全面的に北朝鮮の中・短距離ミサイルに対処する防衛用兵器システムになる」と強調した。
一方、米統合参謀本部のウィニフェルド次長も同日、ワシントンのシンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)のセミナーで、「韓国にTHAADが配備されるのかどうかに関心を抱く人々がいることを承知している。むろん米国は、北朝鮮の脅威のため、韓国と在韓米軍の防衛力増強に向けてTHAADを使う可能性に関心を持っている」と明らかにした。また、韓国とTHAAD配備を協議する可能性について、「条件が熟せば、(韓国と)対話することになるだろう」とし、「米国はパートナー(韓国)国家を尊重し、この問題に非常に慎重にアプローチする」と付け加えた。
閔庚旭(ミン・ギョンウク)大統領府報道官は20日、THAAD導入論議と関連して、「(米国の)要請があれば、軍事的効用性と国家安保上の利益を総合的に考慮し、主導的に判断して決める」と明らかにした。米国の要請がないことを強調した発言だが、一部では状況が変化する可能性に注目している。閔報道官が3月11日、「THAAD導入の有無について、韓国政府の立場は『3NO(要請、協議、決定なし)』と表現できる」と線を引いたことを考慮すれば、同日の発言は、THAAD導入の公論化に備える方向に大統領府内の状況が変わったことを推測させる。