▽高額契約が飛び交う一週だった。自由契約選手(FA)の崔廷(チェ・ジョン)がSKと4年総額86億ウォンで再契約を交わし、ロッテを離れた張元準(チャン・ウォンジュン)投手は斗山(トゥサン)と4年86億ウォンに合意した。三星(サムスン)の尹盛桓(ユン・ソンファン=80億ウォン)と安志晩(アン・ジマン=65億ウォン)、SKの金江鏜(キム・ガンミン=56億ウォン)、LGの朴龍澤(パク・ヨンテク=50億ウォン)を入れれば、今回FAを宣言した19人の中で4年に50億ウォン以上の契約を交わした選手だけでも6人に上る。
▽80億ウォン契約にサインした尹盛桓の契約金は48億ウォンだ。三星の今年1年の入場収入(64試合)は48億7482万ウォンだ。選手一人の契約金にシーズン入場収入を丸ごと使った格好だ。崔廷と張元準の契約金も40億ウォン以上だ。FAの大型契約は、よく「ロト当選」に譬えられるが、実際はロトは足元にも及ばない金額だ。最近の3回のロト1等当選金は13億ウォン台だった。確率は814万分の1というロト1等に3回連続で当たっても40億ウォンに及ばない。
▽入団の際、職場選択の自由がないプロ野球選手たちが一つの球団で一定の出場登録日数を満たして9シーズン(大卒選手は8シーズン)を活躍したのだから、その程度のご褒美は当たり前だという意見もなくはない。税金を使うわけでもないし、球団の金を使うのに問題になることはないという見方もある。問題は、国内の全ての球団が親企業の支援がなければ、球団の運営が成り立たないところにある。
▽市場の規模面で韓国より遥かに大きく、黒字を出している球団が存在する日本も、FA選手の報酬は韓国ほど高くはない。韓国プロ野球の観客数は日本の3分の1にも及ばない。千葉ロッテのエースだった成瀬善久投手(29)が先日ヤクルトに移籍しながら契約した金額は3年総額6億円(約56億ウォン)だ。年間20億ウォンにも及ばない。成瀬投手は9シーズンの間、通算90勝66敗、防御率3.16、1100奪三振を記録した。成瀬投手と同じ左腕投手で年齢も同じ張元準は、9シーズンの間、85勝77敗、防御率4.18、907奪三振だった。消化したイニング数も成瀬投手(1379回と3分の2)が張元準(1362回)より多い。
▽賃金の下方硬直性と言うのがある。一度上がった賃金は、経済環境が変わっても下がらず、その水準以上を維持しようとする傾向があるというものだ。FA報酬にも同じことが言える。選手たちが交渉する際、一番良く口にするのは「顔を立てて欲しい」という言葉だ。昨年、姜鏜鎬(カン・ミンホ)がもらった総額75億ウォンは、今年、崔廷の契約で基準になったはずだ。来年は崔廷の86億ウォンが基準になるだろう。来年はハンファの金泰均(キム・テギュン)や斗山の金賢洙(キム・ヒョンス)など、少なくとも打撃面では崔廷の通算成績を超える打者がFA資格を得る。これらの顔を立てるためには、どれだけの金がかかるだろうか。
▽最近、三星はじめ大手企業も国内外の経済を取り巻く環境が悪化し、緊縮経営をしている。今すぐは数十億ウォンを惜しまないかもしれないが、この状況が続けば話は変わってくる。プロサッカーの場合、首都圏の人気球団を運営する大手企業の首脳が「こんなにお金がかかるとは知らなかった。これでは将来の運営を保障できない」と話した。今の野球の人気がいつまでも続くという保障はない。「好成績さえ出していれば良い」という無謀な競争が続けば、プロ野球全体が危うくなりなけない。より長期的な目線が求められる。FAで大型契約を結んだ選手の中で、契約以前より好成績を出した選手が何人いただろうか。今後、FA資格を得る選手たちには悪いが、この辺で天井知らずの高額報酬に歯止めをかけるべきだ。






