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[オピニオン]パク・ジヨンさんとミン・ピョンギさんの母親

[オピニオン]パク・ジヨンさんとミン・ピョンギさんの母親

Posted May. 12, 2014 07:43,   

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2010年3月、哨戒艦「天安(チョンアン)」沈没事件で犠牲になったミン・ピョンギ上士の母親のユン・チョンジャさんは、遺族補償金のうち1億ウォンを安全保障を堅固にすることに使ってほしいと国家に寄付した。ユンさんの献納に感動した京畿道(キョンギド)の中小企業の職員が送った830万ウォンも第2艦隊に献納した。息子の母校である忠清南道(チュンチョンナムド)の扶余(プヨ)高校の教師と生徒が弔意金120万ウォンを持って来ると、30万ウォンを加えて150万ウォンを学校に奨学金として寄付した。

◆セウォル号沈没で乗客の脱出を助けて亡くなった乗務員のパク・ジヨンさんの母親は、ソウル大学美術部の学生が集めた約200万ウォンの寄付を丁重に断った。パクさんの母親が「もっと生活の苦しい人に娘の名前で伝えて下されば有難い」と言うと、大学生たちは「この親にしてこの子あり」と感動した。セウォル号惨事で亡くなった数人の檀園(ダンウォン)高校の生徒の親は、葬儀の費用を国家がすべて出すからといって、「国の金をむやみに使うことはできない」とし、最も安い葬儀品を使った。

◆ミン上士の母親のユンさんは、田舎で農業をする平凡な70代のおばあさんだ。パクさん親子も苦しい状況で暮らしてきた。原因は違うが、不義の船舶沈没で子どもを失った母親の苦しみを金で補償することはできない。それでも2人の母親は、寄せられた金を国家や貧しい人のために使ってほしいと放棄した。庶民にとって生活に役立つ大金を拒むことは容易ではない。

◆欲に目がくらんで安全管理を怠り、乗客を冷たい海水に水葬させた海運会社と船長、船員の振る舞いに憤りを禁じえない。「海洋水産部マフィア」と海洋警察の癒着疑惑や長年の安全不感症も情けない。国家的惨事を政治扇動に悪用する社会の一部の「暗い情熱」や、事実確認と検証もせず、誤った内容を吐き出した多くのメディアの振る舞いも後味が悪い。このような混乱の中でも、一部の犠牲者の両親が見せた態度は感動を呼ぶ。子どもを失った極度の苦しみの中でもミン・ピョンギ上士とパク・ジヨンさんの母親が見せた節度と気配りはまねできない。

権純活(クォン・スンファル)論説委員 shkwon@donga.com