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「癒されない言葉による傷跡」 映画「優雅なうそ」の金喜愛

「癒されない言葉による傷跡」 映画「優雅なうそ」の金喜愛

Posted March. 05, 2014 06:52,   

4日午前、ソウル中区(チュング)のザ・プラザホテルで、金喜愛(キム・ヒエ、47)と対座した。

「原作の小説を先に読みましたが、二人の子供を育てる母親として、他人事のような気がしませんでした。避けて通りたいような物語ですが、最後まで読まざるを得なかったんですね。悲劇の中でも暮らしは続き、このような問題を成熟した目線で解決するというのがよかったと思います」。映画は、キム・リョリョン作家の同名小説(09年)を脚色して作り、「ワンドゥギ」(11年)のイ・ハン監督が演出した。

女優という言葉よりは、タレントという言葉のほうがより自然な金喜愛。何が「101番目のプロポーズ」(1993年)以降、21年ぶりに彼女をスクリーンに呼び出したのか。

「映画が描く癒し方が好きでした。我々皆は被害者にもなりうるし、加害者にもなりえますよね。映画のように、我々は身近な人だと思っている人を傷つけています。そんなことを改めて考えさせられる作品です」

高1と中3の2人の息子を育てている保護者として、いじめの問題は人事ではないとも語った。「学校はジャングルに他ならないといわれてますね。言葉による傷跡は、決して無くなりません。子供の世界だけがそんなわけではなく、大人らの世界も同じでしょう」

映画の中で金喜愛は、クールなキャラクターだ。誰も恨まず、再び訪れてきた悲劇にも絶望しない。子供の前でも、平然としているママ。実際もそうだろうか。「違います。息子が2人もいるので、大変ですよ。大変なときは、『あの子は、私の息子ではない』と思いながら、自分を客観視しようとします。子供らが遊んだり、コンピューターばかりしていれば、不安を感じる普通の母親ですね」

先月25日の試写会後の記者懇談会で、金喜愛は涙を流した。「元々、あまり泣かない性格なんですよ。映画を一緒に見れば、夫だけが泣くんです。私は、(ほかの役者の)演技だけ見ています。この映画も、突然はまり込んで、その後から感情に押し流されました。子役の演技が、とても好きだからなんでしょうか。カンヌ映画祭に出しても、遜色のない演技ですね」

1984年、ユ・ジンソン監督の映画「私の愛するチャング」で、女優生活を開始した金喜愛は、今年でデビュー30周年を迎える。「女心」、「息子と娘」、「恋愛の基礎」、「妻」、「私の男の女」など、主にテレビで使っていた顔の筋肉が、スクリーンではぎこちなかったのではないか。「映画は余裕を持って撮ることができるからいいですね。繊細な演技ができますから。その代わり、その分だけうまくこなさなければならないというプレッシャーが、後から押し寄せてきます。新人同然だから、一所懸命やりたいと思います。呼んでさえ頂ければ…」

金喜愛は50歳を目前に控えた歳なのに、メロドラマの主人公を演じたり、この10年間化粧品モデルとしても活動している。「化粧品広告の仕事が入ってきたら、とても神経を使います。『これが私の最後の撮影になるかも知れないんじゃないか』と思います。最近は照明もよくなって、コンピューター技術が発達しているので、綺麗にとってもらっています。感謝しながらも怖いと思います」

彼女のつるつるの肌を見ながら思い浮かぶこと。「優雅なうそだろうか?」