「国家の文化ソフトパワーを育てることは、中華民族の偉大な復興という『チャイナドリーム』と関係がある。文化ソフトパワーを育て、当代の中国の価値観を伝播し、中華文化の独特の魅力を見せよう」
中国の習近平国家主席が最近、政治局委員25人全員を集めて言った言葉だ。中国が文化を産業として見るだけでなく、大国が備えるべきソフトパワーとして重視していることがうかがえる。中国は2010年に世界第2位の経済大国になった。大国になって発言する中国に、周辺国だけでなく多くの国家が緊張している。中国の国家イメージの向上は、持続可能な発展に向けた重要な課題となった。
中国の文化産業規模は2012年現在約4兆人民元(約710兆ウォン)で、最近数年間、毎年20%に近い成長率を記録している。特に、ゲームや旅行などの余暇や娯楽分野の成長の勢いが爆発的だ。
このような成長は政府が育成政策を実施したことによる。中国政府は2009年、「中国文化産業振興計画」を通じて文化産業を11番目の国家戦略産業に昇格させた。2012年には、「12次5ヵ年文化改革発展計画綱領」の中で2015年の文化産業規模を2010年対比で2倍以上に育成することを明らかにした。ここには、△10大都市の公演会場建設、△芸能産業発展に向けた資金運営、△文化産業団地の育成、△5社から10社のアニメ企業の育成、△世界10大ゲーム企業の育成など、具体案が提示された。
中国は文化産業の定義として、映画やドラマ、出版、エンターテインメントなどの既存領域に加えて、文化創意という領域を追加する。文化創意は、創意性と知的財産権を強調した概念だ。中国のある専門家は、「米国のハリウッドは中国的な素材を利用したアニメ『カンフー・パンダ』を製作して世界的な成功を収めた。中国が無尽蔵な文化素材を踏み台にして世界に出て行くことを望む」と伝えた。
「山寨(盗作品を意味する中国語)」天国であり、蔓延する不法ダウンロードなど知的財産権侵害の代表的国家である中国が、文化創意を通じて真のグローバル文化大国に成長できるのか注目される。