
13年12月27日、中国北京市順義区の北京現代(ヒョンデ)自動車第3工場。車体を運ぶベルトコンベヤの両側で、中国人労働者らが一糸乱れず、部品を組み立てていた。10代後半ぐらいの幼い顔も見えた。電子掲示板には「99」という数字がはっきりと現れていた。リアルタイムの稼働率が99%だという意味だ。
12年9月に完成されたこの工場は、北京の中心の天安門広場から、北東側に75キロ離れている。敷地面積が145万平方メートル(約44万坪)の第3工場は建設当時の年間生産台数が30万台規模だった。しかし、爆発的に伸びる中国内の需要にこたえるため、完成から2ヵ月後、年間生産15万台規模の増設工事に取り掛かった。
1月20日、新設ラインが本格的に稼動すれば、北京現代車の第1〜第3工場の年間生産能力は、計105万台(第1、第2工場はそれぞれ30万台、第3工場は45万台)へと増える。中国政府の最終承認のみを残している西部内陸の第4工場(年間生産30万台規模)まで建設されれば、北京現代車の年間生産能力は、135万台へと増える。
第3工場は、12年6月の量産開始後、2週間で稼働率98%を達成した。その秘訣は、労働力運用の柔軟性にある。北京現代車は、第3工場の建設後、労働力の70%を従来の第1、第2工場で働いていた労働者らで満たした。新たに採用した労働者は、第1〜第3工場に再配置した。熟練した労働力の配置換えを通じて、新工場への「適応期間」の最小化を図ったのだ。
労働者らは、定期労働8時間と残業3時間とをあわせて、計11時間ずつ、昼夜2交代で働いている。北京現代車のチョ・グンヒ課長は、「年2回、全職員を対象に、勤務評価を行った後、等級によって給与に差をつけて支給している」とし、「大半の職員が、出勤時間より30分前に到着して作業の準備に取り掛かる」と説明した。
北京第3工場の「HPV」(自動車1台を作るのにかかる時間)は16.5時間だ。12年の18.8時間から2.3時間をさらに短縮した。現代車の韓国工場のHPVは、平均28.4時間。
労働組合の「公会」も、会社に協力的だ。北京現代車の王建平公会主席(韓国の労働組合長と似ている役割)は、「企業が優秀な成績を上げれば、職員らはよりよい福利を享受し、職員らが絶え間なく努力してこそ、企業も発展できる」とし、「北京現代車は早いスピードで成長しており、職員らもプライドを感じている」と話した。
02年4月、北京自動車と合弁会社設立に関する交渉に入った現代車は、北京現代車設立(10月)前の7月に、すでに生産ラインの設置を始めた。北京自動車のトラック工場を、年間5万台を生産できる乗用車生産ラインに改造したのだ。そのため、北京現代車は、会社設立から2ヵ月後の同年12月、「EFソナタ」1002台を生産することができた。その時から、中国自動車業界では、「現代スピード」という言葉が、流行のように広まり始めた。北京現代車が設立から11年後に、「ミリオンセラー(年間100万台を販売)」に上ることができたのも、早い意思決定が大きな役割を果たしたという評価が多い。
北京現代車は、13年11月に発売した中国向け戦略型モデル「名図」にかける期待が大きい。中国市場のみに狙いを定めて初めて開発したこのモデルは、11月と12月に、計1万6000台あまりが売られ、「大ヒット」の兆しを見せている。北京現代車のピョン・ジョングン取締役は、「かつては、『大型車』だけを好んでいた中国人らも、今は、車の性能や品質への関心が高い」とし、「名図は、北京現代車が中国でフォルクスワーゲンやGMに追いつくことのできる『尖兵』になるだろう」と強調した。






