政府は22日、タクシーを公共交通に含ませる公共交通法の改正案(タクシー法)への拒否権を行使し、その理由として取り上げたのが「過度な財源」と「公平性」だ。
国土海洋部(国土部)の朱成皓(チュ・ソンホ)第2次官は同日の記者ブリーフィングで、「タクシーが公共交通に含まれ、乗り換え割引や赤字補填などが実施されれば、1兆ウォンほどの予算が追加に投入される」とし、「(タクシーに続き)旅客船や貸し切りバスなどからも公共交通に含ませてほしいと求められれば、公平性の問題も起こりかねない」と述べた。
同日国土部は、閣議に提出した資料を通じて、タクシーが公共交通に含まれる場合、追加で必要になる予算は計1兆500億ウォンに上るだろうと試算した。項目別には、△準公共性の赤字補填(6564億ウォン)、△乗り換え割引(2191億ウォン)、△タクシー公共車庫制設置(721億ウォン)、△減車補償(563億ウォン=1万3000台基準)、△タクシー所得控除(487億ウォン)などだ。さらに、政府や各地方地自体がタクシーに支援してきた従来の燃料費補助金や税制支援など計8247億ウォン(2011年基準)を加えれば、毎年2兆ウォン弱の予算がタクシーに投入されることになる。
このような政府側の分析について、タクシー業界は「要求すらしていない主張を問題に取り上げている」と反発している。タクシー連合会の幹部は、「タクシーはバスや地下鉄などと料金体系が異なり、乗換え割引の適用を受けるのが難しい」とし、「乗換え割引は要求しておらず、要求する計画も無い」と話した。準公共制赤字補填支援法も受けるつもりは無いというのがタクシー業界の立場だ。
与党セヌリ党の李漢久(イ・ハング)院内代表は昨年12月、タクシー法が問題になると「2013年のタクシーへの支援金額は、減車補償金50億ウォンだけなのに、政府が誇張ししている」と話したことがある。
政府は同日、公平性の問題を取り上げ、拒否権を行使し、その代案としてタクシー業界に対し、政府がまとめた「タクシー支援法」の受け入れることを再び勧めた。朱次官は、「都心に公共車庫敷地として使える土地が不足すれば、一部のグリーンベルトを解除する案も検討できるし、運転手向けの福祉基金も、政府から支援する用意がある」とし、「タクシー法の恩恵はタクシー会社に回ることになるが、政府がまとめた対策はタクシー運転手らに恩恵が回ることになる」と主張した。
これに対し、タクシー連合会の関係者は、「政府が示したタクシー支援法は、これまで白紙化されてきたほかのタクシー関連法と全く同じだ」とし、「ほかの交通手段との公平性が問題なら、これらをまとめて『公共交通』を体系的に管理する総合対策をまとめるのが正しい」と切り返した。
大統領拒否権の行使で、政府とタクシー業界との対立が広がりを見せているなか、交通専門家らの間では、「国民討論」を通じて、この問題を解決すべきだという提案も出ている。交通学界の関係者は、「双方の主張があまりにも違うだけに、国会再議決前に、国民らが判断できるよう、討論会を開き、必要な財源や支援対策の『真偽』をわきまえるのが一つの方法になるだろう」と話した。
ryu@donga.com






