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数珠繋ぎの列でめちゃくちゃになった通勤ラッシュ…「地獄の交差点」

数珠繋ぎの列でめちゃくちゃになった通勤ラッシュ…「地獄の交差点」

Posted January. 02, 2013 03:07,   

ソウル東大門(トンデムン)から鋻凉里(チョンリャンリ)に向け車を運転していたチョン某氏(45、金融業)は、まもなく新設洞(シンソルドン)交差点にさしかかることに気づいた。目で確認しなくてもわかるような気がした。いたるところからクラクションが鳴っていたからだ。

鐘路区(チョンノグ)と東大門区とをつなぐ広々とした交差点が現れると、ハンドルを握った手には、汗が出始めた。道路は混乱を極めていた。信号に打ち切られないよう、長く数珠繋ぎに並んでいる数々の車。いきなり割り込んできたオートバイ、赤信号なのに横断歩道を渡ろうとして、違法にUターンしたワゴン車に撥ねられそうになった歩行者…。

昨年12月20日と21日、新設洞交差点を24時間、観察カメラで見守ったところ、大韓民国の悪い運転のあらゆる姿を目にすることができた。

●午前7時〓数珠繋ぎに並んでいる黒い良心

通勤ラッシュになると、交差点は信号が終わらないうちに次々と交差点に進入しようとする数々の車で込んでいた。赤信号が灯っても、交通警察がランプ棒を振りながら食い止めても、まったく聞かなかった。次の信号まで待っていた車が、大光(テグァン)高校から鋻溪(チョンゲ)8街の方向に向けまっすく進もうとしたが、クラクションのみ鳴らすだけで、前に進むことができなかった。東大門区役所から東大門方向に向け、左折しようとする複数の車が、交差点を占めていたためだ。

見かねたタクシーが長くクラクションを鳴らし、数珠繋ぎの車の中に割り込んで前に進むのに成功した。しかし、後になって列に加わったタクシーや1トン級トラックが、交差点の真ん中で立ち往生する危険な場面が起きた。ここで数珠繋ぎの状態になったり、信号を無視した車の側面にぶつかったりして起きた事故は、2011年だけでも計23件(39%)に上った。

取材チームが、三星(サムスン)交通安全文化研究所と協力して集計したところ、同日午前7時から9時にかけて、数珠繋ぎの状態のためにほかの車の進行を妨害した車は計203台。数珠繋ぎは全ての車線の渋滞へとつながった。

●正午〓ウィンカー?要らない!

「キキッ!」。午後12時20分ごろ、旺山路(ワンサンロ)バス中央車線の乗り場周辺で、ワゴン車「スターレックス」が、クラクションと共に急停止した。東大門から鋻凉里方向に向け、直進しようとしていたところ、右側からウィンカーも付けずにいきなり割り込んできたタクシーを避けようと、急停止したのだ。1メートルほどスキッドマーク(ブレーキを掛けた後に滑ったタイヤの痕)が残った。

二人の運転手は窓を下ろし、お互いに毒舌を放ち始めた。タクシーの運転手は、「少し譲歩すれば済むことなのに」と口にしながら険しい表情をし、ワゴン車の運転手は、「無理やり割り込んでおいて、ずうずうしい」と切り返した。この交差点では、急激な車線変更による接触事故が、2011年は7件も起きた。

●午後7時〓急発進が招く危険

歩行者に混じって横断歩道上に止まっていたオートバイは、青信号に変わる前にスタートした。しかし、龍頭洞(ヨンドゥドン)から鋻凉里方向に向け右折する幹線バスを避けようとして倒れ、荷台の荷物が道路をふさがり、道路はしばらくマヒ状態となった。クラクションがいたるところから鳴り始めた。

この交差点は、事故リスクを減らすため、信号の間に、3秒間、全ての信号灯に赤が灯る。しかし、この赤信号が、1、2秒が惜しい複数のオートバイにとっては、スタート信号に他ならない。同日午後6〜10時までの集計結果、停止ラインを超えて、横断歩道の真ん中で待っていて、直進信号に変わる前に、いきなりスタートするオートバイは、計252台だった。運転手らは、きちんと信号を守ろうとしても、どの方向から車が飛び出してくるかわからず、緊張を解けない構造となっている。昨年、ここで起きた交通事故の20%は、オートバイを巻き込んだ事故だった。

●夜12時〓あふれる機嫌運転

夜12時を超えると、昼間には目にできなかった「機嫌運転」が始まった。「信号を守るかどうか」悩んだ末、赤信号を無視する運転手が次々と現れた。同日0〜4時、周りに車が無いと、徐々に前に進み、信号が変る前に左折する車が数え切れないほど多かった。4時間の間、信号違反の車は計63台だった。

深夜に車がないとスピードの出しすぎをする悪い運転は、信号を守っても危険な状況を招いた。スピードを出しすぎており、黄色い信号を見ればいきなりブレーキを踏む。追突を避けようと、急ブレーキを掛ける後続車両が何台もあった。2011年、ここで起きた10件の追突事故(16.9%)の大半は、急停止した車を避けきれずに起きた。

午前6時半、夜が明けると、新設洞交差点につかの間の平和が訪れた。しかし、数珠繋ぎや割り込み、停止ライン違反は繰り返されるだろうし、そのうち何件かは事故につながるかも知れない。大韓民国の「悪い運転の博物館」のここは、一体どうすればその汚名を返上することができるだろうか。



becom@donga.com