ネガティブキャンペーンによる疑惑は進化すればするほど、火の勢いがより強まる属性がある。
専門家たちは、無視戦略、反論戦略、免疫戦略など多彩な方法を提示するが、すべての状況に適用できるマニュアルはないというのが大統領候補陣営の悩みだ。
「無視戦略」は、有力候補が群小候補の攻撃に対応する時に効果的だ。強いて反応を示して群小候補を勢いづかせる必要はないということだ。統合進歩党や進歩正義党がセヌリ党の朴槿恵(パク・クンヘ)候補を攻撃し続けてもセヌリ党がなかなか反応を示さないのも、無視戦略の一環だ。ただ、この戦略は支持率が拮抗する1、2位候補の間では大きな効力は発揮できない。無反応で一貫して対応の時を逸した場合、事が大きくなってはね返ってくるためだ。
相手がネガティブ攻勢を展開し、それを即時に否定して報復を加える「反論戦略」は、典型的な対策だ。しかし、反論戦略も選挙終盤には特に効果はない。真実が明らかになる前に両者の攻防だけで選挙が終わるためだ。2002年、金大業(キム・デオプ)氏が李会昌(イ・フェチャン)候補(当時)の息子の兵役免除疑惑を提起し、選挙戦を揺さぶった。2004年、大法院(日本の最高裁判所に該当)の判決で、金氏の提起が偽りであることが明らかになったが、すでに選挙は終わった後だった。さらに大きな問題は、反論戦略で対応する場合、相手が設定した枠に閉じ込められる恐れがあるという点だ。
最近セヌリ党が、盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領の西海(ソヘ・黄海)上北方限界線(NLL)放棄発言疑惑を提起して民主党に迫ると、民主党は2007年の南北首脳会談直後の盧前大統領の発言やメディア報道を公開して対抗した。しかし、セヌリ党が作った枠から民主党はなかなか突破口を見いだせていない。
「免疫(予防注射)戦略」は、ネガティブキャンペーンの対象になり得る事項を事前に明らかにし、その効果を半減させることだ。選挙戦が本格化する前に、問題が大きくなりそうな事案を事前に公論にかけ、一種の予防注射を打つわけだ。しかし、拙い告白は「やぶをつついて蛇へびを出だす」恐れがある。最近、正修(チョンス)奨学会問題に対して朴候補が立場を明らかにしたが、裁判所の判決を十分に熟知していないことが露になり、かえって野党の攻勢に口実を提供したのが端的な例だ。
専門家たちは、このような戦略は一部効果はあるが、限界もあるため、もう少し能動的な対策が必要だと指摘する。東国(トングク)大学言論情報大学院の金武坤(キム・ムゴン)院長は、「報道機関や市民団体、政党が協業体制を構築し、公正な情報を伝えることが最も良いネガティブ(ネガキャン)対策だ」と指摘した。
scud2007@donga.com






