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[オピニオン]アングリーバード

Posted April. 06, 2012 07:08,   

翼もなく、足もない上、大変不機嫌な表情の鳥「アングリーバード(angry bird)」が、ノキアを抜き、フィンランドを代表する商品となった。ゲーム発売後70億回のダウンロード件数を記録したアングリーバードは、スマートフォン最高のゲームアプリケーションだ。鳥の卵を盗んだ緑の豚を、ぱちんこに装填された鳥たちが飛んでいき、懲らしめるゲームだ。2歳の子供も理解できるほど、ストーリーは単純で、暴力性が少なく、女性らも楽しむことができる。同ゲームを開発したロビオ社のジュリアン・プルジョ・マネージャーは、昨年6月韓国を訪問し、「単純さこそ、成功の秘訣」と主張した。

◆この鳥が、韓国政治の真っ只中に登場した。キャラクターを先取りしたのは与党セヌリ党だった。名前から「鳥(韓国語では「セ」)」を思わせるセヌリ党は、党名に対する若者層の好感を高めるため、アングリーバードを打ち出している。セヌリ党の広報物に、アングリーバードに扮した洪準杓(ホン・ジュンピョ)議員が、「私がここまでしなければならないのですか」と茶化してしゃべる。洪議員が赤いネクタイや怒りっぽい性格のために付けられた「洪グリーバード」と言う異名を、広告イメージに利用した。

◆アングリーバードの意味をより浮き彫りにさせたのは、ソウル大学・融合科学技術大学院の安哲秀(アン・チョルス)院長だ。安院長は3日と4日、全南(チョンナム)大学と慶北(キョンブク)大学で行った特別講演で、質問をした学生たちに対し、アングリーバードの人形をプレゼントした。総選挙関連の意味が込まれているような気がする。安院長によると、アングリーバードゲームで、鳥の卵を盗んで食べる豚は、既得権を象徴する。「やさしくておとなしい鳥たちが、体を投げつけて、既得権の城砦を壊す」と言うのが、アングリーバードの意味だ。選挙で弱者の国民が、投票を通じて、既得権を懲らしめるべきだという要求と受け止められる。

◆豚で象徴される既得権を持った人たちは、果たして誰だろうか。与党のセヌリ党であったり、民主党と統合進歩党の野党圏連帯、あるいは政治圏全体かも知れない。安教授は昨年、ソウル市長選挙の際も、朴元淳(バク・ウォンスン)候補が、選挙の終盤戦で、ハンナラ党の羅卿瑗(ナ・ギョンウォン)候補から猛烈な追撃を受ける状況で、米黒人民権運動に火をつけたローザ・パークスに触れた手紙を、朴元淳候補陣営に送り支持表明をした。安教授の手紙は、実際の選挙で威力を発揮した。1960年代、米サンフランシスコでは、頭に挿した花は、反戦運動の象徴だった。今は、ゲームのキャラクターが政治的象徴になる時代だ。記号や象徴を適切に駆使してこそ、現実政治で成功できる時代だ。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com