2026年が始まった。年の初めから、世界は砲声と混乱に包まれている。米国主導によるベネズエラのマドゥロ大統領の失脚は、その端緒にすぎない。軍事力で成し得ることには限界がある。他国への介入は、その国の運命を変えることはあっても、社会を効率的に変革することはできない。
もしイランのハメネイ政権が崩壊すれば、その余波は中東全体の秩序を揺るがしかねない。汎イスラム、反イスラエルという共通の感情の下で抑え込まれてきた局地的な対立が、一気に噴き出す可能性があるからだ。シリアはすでに内戦状態にあり、イランの変化はイラクにも影響を及ぼすだろう。伝統的な国家は混乱に直面し、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、カタールといった石油を基盤とする新興国の主導権と台頭は一層鮮明になる。だがそれは、新興国の軍事力拡大を通じ、サウジのイエメン戦争のような紛争を拡張させる危うさも併せ持つ。
サウジアラビアとイスラエル、エジプトの協力関係は、より露骨な形で表面化する可能性が高い。パレスチナ問題という障害は残るものの、新たな構想が動き出す余地もある。ウクライナ戦争は、また1年を越えた。たとえ停戦に至っても、欧州軍が駐留した瞬間から、ロシアと欧州の新たな力のせめぎ合いが始まるだろう。その過程で、欧州が覚醒し、再軍備と国家改造に成功するのか、それともロシアのプーチン大統領の思惑通り分裂と弱体化に向かうのか。今年はその試金石となる。
米中の覇権競争は、アジアと南米へと広がっている。台湾をめぐる緊張と圧力は今年も続くだろう。日中対立は拡大し、北朝鮮は軍備拡張にいっそう力を注ぐだろう。北東アジア情勢も火薬庫と変わらない。その一方で、韓国の内部対立は極限に向かっている。こうして並べてみると、2026年の世界は2つの国家に分かれつつある。鋼鉄のように強固な国家と、内部対立が爆発寸前の国家だ。
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