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[オピニオン]宝くじ廃止論議

Posted December. 12, 2011 08:04,   

「幸福共感星教室」は、夜に一人になる低所得層の子どもに安全な憩いの場を提供する。全国490人の教師が放課後から夜10時まで、子どもたちの世話をする。「文化バウチャー」は、老人、障害者、片親の家庭など、文化疎外層に公演や展示会の観覧料だけでなく、車や食事まで支援する制度だ。「ニッチ福祉」とされる「幸福共感星教室」と「文化バウチャー」は、宝くじを販売してつくった基金で運営される。1000ウォンの宝くじを売れば、500ウォンが当選金に使用され、管理費用などを除いた420ウォンが宝くじ基金として積み立てられる。

◆首相室傘下の射倖産業統合監督委員会(射監委)が、企画財政部の宝くじ委員会(宝くじ委)に、年末までに宝くじの発行を減らすか、暫定的に中止することを勧告した。宝くじの販売額が射監委が設定した宝くじ発行の許容限度(2兆8046億ウォン)を超過したためだ。宝くじ委は、今年の販売額が3兆1000億ウォンを超えるものと見通している。終わりの見えない不況に「人生の逆転」を夢見る人が増えたうえ、「ココミョン」、「ギャラクシーS2」などと共に今年の10大ヒット商品になるほど飛ぶように売れた「年金宝くじ520」のブームに乗ったことが大きい。

◆宝くじ委は、宝くじの発行を減らせば過需要が起こってかえって販売が増え、発行を中止すれば、零細販売業者の生計を脅かすことになると憂慮している。宝くじ基金を脆弱階層のために使うのに、宝くじをなぜ射倖産業だと非難するのかという不満もある。射監委は、宝くじ、カジノ、競馬など政府が管理する射倖産業の今年の売り上げが18兆ウォンにのぼると見通した。国内総生産(GDP)の1.5%を超える規模だ。

◆1945年、日本は太平洋戦争の軍費を調達するために「勝札」という宝くじを発行した。1枚10ウォン、1等の当選金は10万ウォンだった。韓国の最初の公式宝くじは、1947年、第14回ロンドン五輪の参加費を調達するために発行された「オリンピック後援券」だ。現在、12種の宝くじの売り上げの95%は、「ロト」から発生する。宝くじを買う第一の目的は一獲千金だ。しかし、次の段階では、宝くじ基金を通じて寄付行為が行われる。賭博のように中毒にならず、楽しむ程度で終わるなら、宝くじは利己心と利他心をともに満足させる魅力的な手段だ。

李炯三(イ・ヒョンサム)論説委員 hans@donga.com