与党ハンナラ党の崔球植(チェ・グシク)議員の随行秘書であるコン容疑者(27)が、中央選挙管理委員会(選管委)に対するDDoS攻撃(分散型サービス拒否攻撃)の直前に、国会議長秘書官ら政界関係者と酒を飲んでいたことが明らかになった。当時、酒の席には、朴熺太(パク・ヒテ)国会議長の儀典秘書の金氏や孔星鎮(コン・ソンジン)元ハンナラ党議員の秘書官を務めた朴氏ら6人が同席した。警察は、その場で選管委サイバーテロについての話が交わされた可能性があると見て、酒の席を持った経緯と会話の内容を調べている。
●選挙前日、酒の席で犯行を謀議?
警察庁サイバーテロ対応センターは6日、ソウル市長補欠選挙の前夜、コン容疑者と酒を飲んだ金氏ら5人に対して事情聴取を行ったことを明らかにした。その結果、金氏らは10月25日午後9時頃、ソウル江南区駅三洞(カンナムク・ヨクサムドン)のあるクラブで会い、選挙日の26日午前5時まで酒を飲んだ。
警察によると、コン容疑者は10月25日午後10時頃、金氏の連絡を受け酒の席に合流した。そこには、金氏と孔元議員の秘書官だった朴氏、元検察捜査官で4、5年前にリゾート事業を始めた金氏、皮膚科病院の院長の李氏、弁護士の金氏ら5人が集まっていた。彼らは、警察の事情聴取で、「病院の投資問題で会っただけで、選管委の攻撃など政治的なことについて話したことはない」と主張した。
金氏はコン容疑者の前に崔球植議員の運転手をし、昨年6月、国会議長の行事儀典秘書になった。コン容疑者は、前任者の金氏の推薦で崔議員の随行秘書になったという。2人は、08年の総選挙で崔議員の選挙運動に参加して知り合った。
金氏は6日、東亜(トンア)日報の電話取材に対して、「知人の病院長が開院するために投資家を探していたが、コン容疑者が、賭博サイトで儲けて投資先を探している友人がいると言ったので、代わりに投資を薦めようと酒の席に呼んだ」とし、「5人は互いによく知っているが、皆コン容疑者に会ったのは初めてだった」と話した。当時、コン容疑者が金氏に話した友人がいるが、その友人がコン容疑者からDDoS攻撃の依頼を受けて実行したカン容疑者(25)である。
事情聴取の結果、選挙当日の未明まで続いた酒の席では、国会議長儀典秘書の金氏と朴氏が午前1、2時頃に帰宅し、実業家の金氏とコン容疑者だけが最後まで残った。警察によると、コン容疑者は10月25日午後11時頃、フィリピンにいたカン容疑者と初めて連絡がつき、選管委DDoS攻撃が行われた26日午前までに計29回、電話でやりとりした。コン容疑者がカン容疑者に選管委の攻撃を指示し、状況の報告を受けた会話のほとんどが、その日の酒の席で行われたのだ。
警察の事情聴取で、酒の席の参加者らは、「コン容疑者が電話で話しをするため、出たり入ったりしていたが、彼が選管委の攻撃について話をするのを聞いていない。その日の会話で、政治関連の話は、女性従業員に『明日投票するのか』と聞いたのがすべてだ」と話した。
警察関係者は、「DDoS攻撃について話がなされた手がかりはまだないが、参加者のうち3人が政治と関係があるのに、選挙前日に政治についての話がなかったということは納得できない」と話した。
●国会議長室秘書が辞表提出
一方、選挙前日、コン容疑者と酒を飲んだ金氏は、波紋が広がると、5日、国会議長室に辞表を提出した。議長室関係者は6日、「金氏が、警察参考人聴取の前に、議長室に迷惑をかけてはいけないと言って辞表を提出した」とし、「辞表を受理するかどうかは、事件に関与したかどうか結果を見て決める」と明らかにした。
同関係者は、「元検察捜査官の実業家が誕生日なので開いた席で、金氏が知り合いのコン容疑者を紹介するために酒の席に呼んだと理解している」とし、「議長室で今回のことと関連して立場を表明する計画はない」と説明した。金氏は7、8級相当の専門契約職で、昨年7月に採用され、主に行事の準備などを受け持っていた。
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