対価関係の立証が重要な犯罪がある。贈収賄罪が代表的だ。全国請願警察親睦協議会(請睦会)」から政治献金を受け取った国会議員に裁判所が近々判決を下す予定であり、彼らが受け取った政治献金が立法ロビーに対する見返りなのか、本当にただの政治献金なのかが判決の鍵だ。昨年、「スポンサー検事」捜査で、建設業者から金を受け取って乗用車「グレンジャー」を購入し、後に「お茶代」を返した検事に、対価関係がなかったという理由で検察が嫌疑なしの判断を下した。売春事件でも、性行為後に代価が支払われなかったら、売春は成立しない。
◆選挙法の候補者買収罪は、贈収賄罪と構造が似ている。対価関係の立証が重要で、金を与えた側と受け取った側がいずれも処罰される。贈収賄罪の事前収賄と事後収賄のように、候補者の買収罪も辞退前買収罪と辞退後買収罪に分かれる。選挙法上、辞退前買収罪は、「候補者を辞退させる目的で候補者に金銭や職位を提供したり、提供を約束すること」、辞退後買収罪は、「候補を辞退したことに対する見返りに、候補だった者に金銭や職位を提供したり、提供を約束すること」だ。
◆郭魯鍱(クァク・ノヒョン)ソウル市教育監は先月28日、記者会見で、「選挙では公正性のために、対価関係のある裏取引きを許してはならないが、選挙後は新たな生活のスターとだ」とし、選挙が終われば、もはや対価関係の裏取引きはありえないかのように主張している。しかし、選挙法の控訴時効条項は、選挙日後に行なわれた犯罪に対しては、その行為があった日から6ヵ月と規定し、選挙日後にも選挙犯罪が行われる可能性があることを念頭に置いている。候補辞退に対する見返りが選挙後に提供されれば、辞退後買収罪に該当する。辞退後買収罪は、事前の約束が必要ない。
◆郭教育監は、朴明基(パク・ミョンギ)ソウル教育大学教授に渡した2億ウォンは、候補一本化の見返りではなく、苦しい生活を見るに耐えかねて善意で渡したものだと主張した。5日、郭教育監の召喚を控え、検察はこの金の対価関係の立証に力を入れている。検事であれ判事であれ、郭教育監の頭の中をのぞき見ることはできないため、結局、金の流れの情況から判断するほかない。収賄罪でも、対価関係があったと素直に認める被疑者はほとんどいない。収賄罪に対する大法院の判例を見れば、対価関係は双方に特殊な私的親交があるかどうか、金品の多寡、金品を受け取った経緯や時期など、様々な事情が判定基準になる。
宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員 pisong@donga.com






