リビアの反体制派が22日、首都トリポリの大半を掌握し、カダフィ政権の42年間の独裁が事実上崩壊した。カダフィ大佐は、少数の親衛隊の保護を受け、トリポリ市内の官邸で最後の抗戦中だが、大勢は傾いた。独裁者の弾圧に息を潜めていたトリポリ市民は街に出て、「カダフィ政権は終わった」と歓呼した。昨年、チュニジアで始まった北アフリカと中東の反体制民主化の熱風が、チュニジアのベン・アリとエジプトのムバラクに続き、ついにカダフィ政権の終末をもたらしたのだ。
カダフィ政権は、2月に反体制デモが始まると、軍隊を動員し大量殺傷で対抗した。カダフィ政権は戦闘機まで動員し、自国民を虐殺した。国民の命よりただ権力に執着した反倫理独裁者の最後のあがきだった。国連安全保障理事会は3月、「国民保護義務」を根拠に北大西洋条約機構(NATO)の武力介入を承認し、残酷な独裁者から市民を守る先例をつくった。
いかなる独裁者も軍隊だけでは国民の怒りを静めることはできないということを再び目の当たりにした。カダフィ大佐は、息子が指揮するカミス部隊を養成し権力を守ろうとしたが、多くのカミス部隊員は、反政府軍がトリポリに進撃するとすぐに降参した。エジプトのムバラク政権も強力な軍を権力基盤としたが、民主化デモが拡散すると、軍部は市民の側に寝返った。
情報通信の発達と国民の選択を尊重する国際気流が、独裁者の終末を促進する。独裁者を追い出した成功事例がインターネットやソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)を通じて世界にリアルタイムで伝えられた。デモ隊は、SNSをやりとりして結集した。国民が独裁者を拒否すれば、独裁政権を支持していた国も考えを変えざるをえない。米国は30年間ムバラク政権を支持したが、1日で態度を変えた。兄弟国のアラブ国家も、カダフィ大佐を見捨てた。
世界はシリアと北朝鮮に刮目している。両国は、世襲独裁という共通点がある。シリアのバッシャール・アル・アサド政権は、2000人以上の自国民を虐殺し、民主化デモを鎮圧しようとするが、カダフィ政権の没落がもたらす衝撃を避けることは難しいだろう。北朝鮮は、地政学的な状況が東欧や北アフリカ、中東とは異なり、中国が後見国となって体制を防衛している。しかし、2400万の北朝鮮住民が、独裁と人権蹂躪、経済失敗の地獄をつくった金王朝に反旗を翻す日はいつか訪れるだろう。それが歴史の道理であり、経験則である。






