ハンナラ党の来年総選挙の見通しを明るく見る人は少ない。あるマスコミの調査によると、ハンナラ党の議員たちさえも、半数にも大きく及ばない平均129議席の獲得を予想した。100議席以下、さらには80議席を見込んだ議員もいた。韓国ギャロップによる最新の世論調査によると、ハンナラ党に票を入れる(28.9%)という回答は、野党に入れる(38.4%)よりもずっと少なかった。ソウルは江南(カンナム)地区を中心に3分の1の議席が取れるなら善戦だという話まで聞かれる。一部の野党関係者は、釜山(プサン)と慶尚南道(キョンサンナムド)でも野党が35議席のうち、半分もしくは20選挙区で勝てると自信を見せているという。
◆李明博(イ・ミョンバク)大統領と朴槿恵(パク・グンヘ)元ハンナラ党代表も3日にあった大統領府での会談で、このような危機意識を共有するなか、候補公認問題について議論したという。二人が「公認の原則に合意した」という報道については、大統領府も朴氏側も「事実出ない」と否定した。だが、公認候補選びの核心は人であって、公認候補選びをうまくやって野党が過半数を占める状況は阻止しなければならないということで一致したと、与党関係者たちは伝えている。冷え切っている親李系(李大統領系)と親朴系(朴槿恵氏系)間の関係のため、今後の成り行きを見届けなければならないが、来年に有権者の心をつかんだ公認候補選びをして重要な選挙を勝利に導かなければならないという認識では、ある程度気持ちが通ったようだ。
◆1996年、新韓国党の第15代総選挙での公認候補選びは政党史に残る成功例に挙げられる。ポイントは、党外の人物の果敢な擁立や競争力という基準に徹底した候補選びだった。まさに人物中心で行われた。当選回数や派閥は考慮要素ではなかった。左派政党の民衆党所属だった李在五(イ・ジェオ)、金文洙(キム・ムンス)の両氏や若手法曹の安商守(アン・サンス)、洪杓準(ホン・ジュンピョ)の両氏、人気ニュースアンカーの孟亨奎(メン・ヒョンギュ)氏も抜擢した。企業家出身で全国区比例代表議員だった李大統領もソウル鍾路(チョンノ)に配置され当選した。金泳三(キム・ヨンサム)大統領と対立していた李会昌(イ・フェチャン)氏も迎え入れて選挙対策委員会議長を任せた。歴代の総選挙のなかで、保守政党がソウルで野党を制したのは、この選挙が初めてだった。
◆李大統領と朴氏が共感した公認候補選びの方式が、まさにこういうものなのであれば、来年の総選挙も良い勝負になる可能性がある。しかし、実現可能性は未知数だ。ある親朴系の関係者は野党の過半数議席獲得を阻止するためにハンナラ党が獲得しなければならない最小限の議席数を130〜135議席と読んでいる。状況次第では朴氏がハンナラ党の選挙対策委員長を引き受けることもあり得るという話も聞こえる。与党であれ野党であれ、新鮮で感動を与える候補選びであってこそ国民の心を動かすことができる。
李進寧(イ・ジンニョン)論説委員 jinnyong@donga.com






