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[オピニオン]譚哲坤の墜落

Posted May. 28, 2011 03:12,   

1989年に死去した東洋(トンヤン)グループの創業主、李洋球(イ・ヤング)会長は、生前、2人の娘婿を溺愛した。李会長は息子がおらず、2人の娘だけを抱えていて、周辺から、「息子同然の婿」といわれていた。財界では早くから、東洋家の婿らが、次世代のグループ経営を率いるだろうと見込んだ。李会長の長女の婿は現在、東洋グループの玄在賢(ヒョン・ジェヒョン)会長(62)、次女の婿はオリオングループの譚哲坤(タム・チョルゴン)会長(56)だ。

◆譚会長は、韓国生まれの華僑3世。米国での留学を経て、1980年、東洋セメントの代理で、「妻の実家会社」と縁を結んだ後、超高速昇進を繰り返した。46歳の01年、東洋グループからオリオングループが系列分離し、会長に就任した。妻の李和卿(イ・ファギョン)オリオングループ社長とは、ソウルのある外国人高校に通う時、知り合いになり、結婚するに至ったという。目上の愛婿の玄会長は、全国経済人連合会副会長、韓米財界会議会長を務め、経済界と関連のある対外活動に割合活発に関わってきた。しかし、譚会長は、経済人らの集いにはなかなか姿を見せず、「隠居の経営者」といわれている。

◆譚会長が160億ウォン台の裏資金を造成し、個人的に流用した容疑で検察に拘束された。検察は、氏が妻や側近らと共謀し、偽装系列会社の役員に給料や退職金を支給したかのように見せかけるなどの手口で、会社資金を横領したと明らかにした。法人資金でリースしたランボルギーニやベンツのような高級外車を、子供の通学のような個人用途で、無断で使用した容疑ももたれている。オリオングループは、検察が横領もしくは背任金額とみなしている160億ウォンを、譚会長が、個人資産で全額返済したと、後で釈明したが、だからといって、罪がなくなるわけではない。

◆譚会長は、オリオングループを急成長させる力量を発揮した。中国市場の重要性にいち早く目覚め、現地工場を建設し、グローバル製菓会社へと育成した。製菓一辺倒の企業から脱し、映画やケーブルテレビ、外食産業、スポーツなど、新規事業でも成果を出した。「財閥家の婿」の中では、経営能力が目立つという評価を受けてきた氏が、公私を見分けることができず、会社資金をポケットマネーのように使い、一瞬にした墜落したのは残念でならないことだ。企業家も時代変化に適応してこそ生き残ることができる。一部の間違った旧態とは手を切り、企業経営の透明性を高めていかなければならない。国や社会に占める企業家の影響力が増大するほど、逸脱を巡る責任を厳しく問うべきだという社会的要求が高まるだろう。

権純活(クォン・スンファル)論説委員 shkwon@donga.com