Go to contents

「日本の二の舞になる」 日本人学者が韓国の無償福祉に苦言

「日本の二の舞になる」 日本人学者が韓国の無償福祉に苦言

Posted March. 05, 2011 06:40,   

日本の国家財政が危険な状態に置かれている。日本財務相によると、昨年末現在、国家債務の残高は計919兆1511億円と、国内総生産(GDP)479兆2231億円の129%に上っている。国際通貨基金(IMP)基準では、09年は217%を超えている。スタンダードアンドプアーズ(S&P)などの格付け会社も最近、日本の財政不安を理由に、国の格付けを下方修正した。「世界経済のお手本」がどうして、ここまで落ちぶれたのだろうか。

日本の長老財政学者である石弘光(73)放送大学学長は、「票を意識し、ばら撒き政策のみ乱発した政治家らの卑怯さがその原因だ」と主張し、有権者の冷静な判断を強調した。韓国のいわゆる「3+1無償福祉」(無償医療・保育・給食や大学生授業料)については、「とんでもないことだ」と言い、「日本の二の舞を踏むことになるだろう」とアドバイスした。

——日本の国家財政を懸念する声が多い。

「一国の国家債務残高がGDPの2倍に達する国は、先進国の中では日本が唯一だ。家庭経済に例えれば、ある世帯が1ヵ月間使う金は計100万円だが、そのうち47万円を借金で当てているのと同様だ(日本の2010会計年度の一般会計予算は92兆円だが、税収は37兆円にすぎず、44兆円分の国債を新たに発行した)。日本は1970年代前半から、年平均10〜15%ずつの成長を遂げてきた。当時、日本の政治や官僚、国民は共にこのような高度成長は続くだろうと信じた。1972年は老人医療費の無料化、1973年は年金支給額の大幅な引き上げを推進し、1973年を「福祉元年」と呼ぶほどだった。しかし、1973年と1979年の2度のオイルショックを受け、成長率は5%台へと急落した。財政支出は増え、税収は減る構造的な問題が浮き彫りになり始めた」

——財政健全化を図らなければならないと言う主張は、だいぶ前から続いてきた。

「議論はあったものの、行動に移すことはできなかった。日本では、社会保障の主要財源として消費税(付加価値税)の導入を巡る議論を1979年から開始したが、10年が過ぎた1989年になってようやく導入した。消費税率を3%から5%に引き上げたのも、1997年になってのことだった。これを10%に引き上げなければならないと言う主張も、14年間繰り返している」

石学長は、「日本政治圏は、消費税引き上げを『ポリティカルタブー(政治的タブー)』とみなしてきた」と言い、消費税と政治圏との腐れ縁について説明した。消費税引き上げを推進した政権は軒並み、選挙で敗北したり、ひどい場合は政権まで明け渡さなければならなかったと言う。

「選挙のたびに、政治家らは国民の支持を獲得するため、消費税を『悪』と決めつけ、税金のかかるばら撒き政策だけを発表した。政治家の卑怯さや怠慢が、日本の活力を失わせた最大原因だった」

——日本の社会保障が、財政健全化の足かせになっているようだ。

「1990年代まで、大型公共事業を実施し、財政赤字を増大させたなら、00年代に入っては、税収不足や膨大な社会保障支出が赤字を膨らませた。社会保障は、恩恵を減らすか、増税に踏み切るかの二者択一の方法しかない。政治家らもこれについて熟知しているにも関わらず、メスを入れようとしないのは、近いうちに年金受け取り者となる、膨大な人口群である団塊世代の「票」のためだ」

日本の団塊世代とは、1947〜1949年の間に生まれたベビーブーマー世代であり、計700万人に上る。彼らが本格的に年金を受け取り始める来年から、日本の財政負担は急激に増え、国民年金の支給総額は、09年の50兆3000億円から、15年は59兆円、25年は65兆円まで膨らむものと見られる。

——韓国の国家債務も早いテンポで増えている。

「09年、韓国の国家債務の比率は33.8%だった。日本に比べればまだ安定している。ただ、05年28.7%だった割合が、少しずつ増えていることに注目しなければならない。国家債務は増え始めれば、取り返しがつかない。日本も1977年は韓国と同様の32%だったが、6年後の1983年は2倍(60%)に膨らみ、1997年は100%になった。200%を超えるのに13年しかかからなかった」

——最近、韓国ではいわば、3+1無償福祉政策を巡り、賛否両論が激しい。

「(いきなり席から立ち上がってから、座りなおしながら)「ルック・ジャパン」(Look Japan=日本を見ろ)」。日本民主党は09年、政権交替後、所得に関わらず、中学生以下子供1人当たりに対し、毎月1万3000円ずつを支給する子供手当てや高速道路無料化などの様々な福祉政策を発表した。このような政策にかかる費用として、計16兆8000億円を見積もったが、税金を一文も引き上げず、企業税制上の優遇措置の削減や予算の構造調整などで十分賄うことができると主張した。しかし、民主党は今、消費税率を引き上げなければ、財政悪化を防ぐことはできないと、言葉を覆している。福祉を増やせば、その付けはその子供や孫世代に回ることになる。福祉にただはない。国民も政治家のばら撒き福祉に対し、冷静に判断できる『目』が必要だ」

70歳を超えた長老教授の心からのアドバイスだった。



changkim@donga.com