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外国人や機関投資家は買い付けた、北朝鮮リスクにも株価堅調

外国人や機関投資家は買い付けた、北朝鮮リスクにも株価堅調

Posted December. 21, 2010 08:39,   

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20日、延坪島(ヨンピョンド)の海上では射撃訓練の砲声が鳴り響いたが、国内金融市場は大きく揺れることなく取引を終えた。外国人と機関投資家らが「戦争の可能性は低い」という方に賭け、株を買い入れた結果、総合株価指数(コスピ)は2020ポイント台を守った。国内外情勢が不安になると、ウォン安ドル高が進むのが普通だが、この日はむしろ、ウォン高ドル安が進んだ。

上海や東京などのアジア主要証券市場は、朝鮮半島リスクに敏感に反応したものの、北朝鮮と国連が核査察団の受け入れに、合意したというニュースが流れると、大半の銘柄の下げ幅が減少した。証券市場の専門家は、北朝鮮からの追加挑発がない限り、年末の韓国金融市場の最大危険要因だった北朝鮮の脅威が、今回の出来事をきっかけに、かえって解消される可能性が高いと見ている。しかし、北朝鮮の報復攻撃の如何によっては金融市場が再び揺れる可能性は残っている。

●揺れ動いた株価と為替相場

同日の金融市場は、大幅に揺れながらスタートした。コスピは当初、訓練が予告された午前11時に近づくと、29.86ポイント(1.47%)下落し、一時2000ポイント台を割り込んだりもした。しかし、訓練が遅れると、指数は午前2010ポイント台に上昇し、北朝鮮が国連の核査察団の受け入れに合意したというニュースを受け、目立って回復の勢いに転じた。結局、前日より6.02ポイント(0.30%)安の2020.28で取引を終えた。

株価が善戦した主役は、外国と年金基金中心の機関投資家だった。外国人や機関投資家は、2000ポイントを割り込むと、むしろ割安の買いのチャンスと捉え、終日、買い越しを記録した。特に、機関投資家は個人がファンドを買い戻したことを受け、投資信託業界は1600億ウォン分を売りつけたが、国民年金中心の年金基金が、それを上回る金額を買い付け、指数の下落を食い止めた。ある年金基金の関係者は、「各年金基金は、年内に株式組み込み割合を引き上げなければならなかったが、これまで株価が値上がりし過ぎたことを悩んでいた中、ようやくチャンスをつかんだ」と言い、「延坪島の脅威は一時的な出来事と見ている」と話した。

同日、有価証券市場で外国人は1700億ウォン、機関投資家は1080億ウォンを買い越した。一方、個人投資家らは3000億ウォン近くを売りさばいた。個人投資家の割合が90%を超える店頭市場(コスダック)は、終日株安を見せた後、指数は12.79ポイント(2.50%)安の497.95で取引を終えた。

対ドルウォン相場も乱高下した。一時は、先週末より1ドル=19.4ウォン(1.68%)ウォン安ドル高の、1ドル=1172.3ウォンまでウォン安ドル高が進んだが、結局は2.70ウォン(0.23%)ウォン高ドル安の、1ドル=1150.2ウォンで取引を終えた。

●証券市場に「危険」認識させる

基本的に国内金融市場の優れた回復力は、豊富な流動性や学習効果によるものだ。外国人は株式市場のみならず、債券市場でも同日800億ウォン分を買い越した。三星(サムスン)経済研究所のチョン・ションシク首席研究員は、「取引開始直後は、破局に向かうのではないかと緊張したが、核査察団受け入れ関連ニュースが伝わり、取引中の雰囲気を反転させた」と主張した。

外国為替市場の関係者は、「取引開始直前は、域外投資家らを中心に、ドルを買い入れたが、韓国軍の射撃訓練にも関わらず、北朝鮮が目立った反応を示さなかったことを受け、取引終了間際になり、ドルを安値で手放したようだ」と話した。

一部の専門家は、北朝鮮リスクを「ブラック・スワン(黒い白鳥)」に例えている。米国の大恐慌や同時多発テロのように、起こる可能性はほとんどないが、一度現実化すれば、膨大な衝撃を与える事件を指す言葉だ。

北朝鮮リスクが現実化されるということは、戦争を意味するが、この場合、韓国人が持つ資産価値は、株を含め、全てのものがゼロになる。ある資産運用会社の役員は、「投資する際、あえて北朝鮮リスクまで考慮しないのは、そのためだ」と話した。

ただ、朝鮮半島を巡る緊張局面が続くことになれば、株価がこれまでの上昇に勢いを保つことは難しいと見られる。外国人が引っ張ってきた証券市場が、持続的な上昇エンジンを持つためには、個人のファンド資金を基に、機関投資家らが力を発揮しなければならないが、この好循環の構造が難しくなりかねないためだ。

LG経済研究院の李チャンソン金融研究室長は、「地政学的リスクや欧州の財政危機が引き続き浮上し、資本流出入を巡る規制が、本格的に実施されれば、来年の金融市場に影響を及ぼしかねない」と見込んだ。

三星証券のオ・ヒョンソク投資戦略チーム長は、「来年初頭になると、今年第4四半期の業績が発表されることになるが、いくら期待値が低くても、実際第3四半期より大幅に下がった業績が出る場合、失望した売り物が出かねない」と話し、「その場合、北朝鮮リスクにより高騰の勢いが削がれた年末指数は、さらに下がりかねない」と語った。



artemes@donga.com achim@donga.com