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[社説]韓米FTA合意精神を破る一方的な譲歩は駄目だ

[社説]韓米FTA合意精神を破る一方的な譲歩は駄目だ

Posted November. 18, 2010 07:45,   

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韓米自由貿易協定(FTA)の追加交渉で、米国側の要求が度を越えている。米国は、韓国産自動車に対する関税撤廃の時期をさらに遅らせ、緊急輸入制限措置(セーフガード)も導入することを主張した。07年の合意事項を覆す要求で、事実上、FTA協定を全面的に見直そうと言っているのと同然だ。協定文の修正も避けられない。米国側は、韓米FTA合意精神に反する一方的な譲歩を要求してはならないし、韓国政府も簡単に後ずさりすることではない。

関税撤廃は、韓米FTA合意事項の中でも中核的な内容だ。アジア太平洋地域で農業を含める全ての分野の貿易で、原則的に関税を撤廃することにより、FTAより段階が上の環太平洋経済協力(TPP)の拡大を議論している米国が、韓米FTAで関税撤廃を猶予するというのは前後の辻褄が合わない。関税障壁を下げなかったら、事実上、FTAとも言えない。

07年、韓米FTA交渉の際、韓国は全ての米国産自動車に対し、8%の関税を協定発効と同時に撤廃することにした反面、米国は3000cc以下の韓国産自動車への関税は撤廃するが、3000cc超過の自動車に対しては2.5%の関税を3年後に撤廃することで猶予した。米国は、この猶予期間さえ、さらに延長すると言っているのだ。米国が関税撤廃猶予に拘った場合、ともすれば韓米FTAそのものが霧散する恐れもある。

ゲイリー・ロック米商務省長官は一昨日、「我々は、(韓米FTAの合意達成を)諦めない」とし、今後、数週間にわたり、両国の政府高官による交換訪問があると話した。米国は今後の交渉で、韓米FTAの合意精神を尊重し、交渉自体を無駄にする無理な要求は自制すべきである。

韓国政府も、協定文修正不可の方針を固守するのは難しそうだ。金宗フン(キム・ジョンフン)通商交渉本部長は、今後、議論の結果を協定文に反映し、国会批准を受ける手続きを踏むと話した。米国の要求を受け入れる代わりに、農産物、もしくは製薬分野で、我々の要求を貫徹させる「ギブアンドテイク」交渉を進めるという話も出ている。米国の圧力に負け、韓国が一方的な譲歩をした場合は、韓米双方が最終合意に至っても、韓米FTA反対を党論に決めている民主党など野党の反対で、韓国議会の批准が暗礁に乗り上げたり、遅延しかねない。そうしている間に、欧州連合(EU)のような他の国とのFTA協定が先に発効されたら、韓米両国が損をすることになるだろう。