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[社説]脱北者2万人、金正日王国を揺さぶる統一の伝令

[社説]脱北者2万人、金正日王国を揺さぶる統一の伝令

Posted November. 16, 2010 08:55,   

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命懸けで脱出し、韓国に定着した脱北者らが、11日で2万人を超えた。北朝鮮政権の抑圧と住民の飢えを告発する証人だ。脱北者が北朝鮮に残した家族や親戚を10人と計算しても、少なくとも北朝鮮住民の20万人が、脱北者の影響圏内に入る。北朝鮮が、いくら閉鎖政策をしても、多くの北朝鮮の同胞が、金正日(キム・ジョンイル)政権の宣伝が、真っ赤な嘘であることを知ることになる時が、秒針のように近づいているという意味だ。

脱北者らは、北朝鮮に残した家族との交流で、韓国の発展を伝え、地獄のような北朝鮮の生活を悟らせる伝令の役割をしている。脱北者が20万人に増えれば、金正日政権がいくら強固でも、持ちこたえることは難しいだろう。脱北者の李ミンボク氏は、風船でビラを飛ばし、北朝鮮住民に韓国側の情報と金正日政権の罪悪ぶりを伝えている。脱北者を通じた南北の疎通は、将来統一を達成するための大切な一歩になる。

ドイツが、東西に分断している時、東ドイツ国民は、西ドイツとの人的交流、放送交流で、リードする西ドイツと後れた東ドイツの実状を把握した。ベルリンの壁を崩壊に導いた決定的な要因は、変化を渇望する東ドイツ国民の世論だった。東ドイツ政権は、巨大な圧迫に勝てず、一瞬にして崩壊した。住民を貧困と飢餓のどん底に陥れても、核開発と3代世襲を企む北朝鮮政権が、自ら変わることを期待するのは難しい。北朝鮮住民の声が一つに集まってこそ、劇的な変化が可能になる。脱北者こそ、北朝鮮の変化を引き出す先鋒隊の役割ができる。

定着に成功した脱北者も多いが、多くは生計維持に困難を来たしている。脱北者の雇用率は41.9%で、韓国全体の平均59.3%に及ばない。国民と企業の偏見も、脱北者の就職難を招いている。国民が、脱北者を「隣人」と認識する開かれた心を持つ必要がある。

政府の脱北者政策も、脱北者の定着を支援する消極的な対策から、脱北者を統一準備への勢力に育成する政策に切り替えなければならない。脱北者出身の安燦一(アン・チャンイル)世界北朝鮮研究センター所長は、「脱北者は、韓国と北朝鮮をいずれも経験したので、統一後の社会統合の際、大きな役割ができる」と強調した。ドイツのメルケル首相は、東ドイツ出身だ。韓国もメルケル首相のように、統一後の韓国のために、貢献する人材を育てることに力を入れなければならない。