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首脳会議の儀礼を巡るエピソード

Posted November. 15, 2010 08:21,   

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12日午前9時ごろ、主要20ヵ国・地域(G20)首脳会議が行われたソウル江南区(カンナムグ)のCOEX主会議場。G20準備委の実務者らは予定の会議開始の時刻が過ぎたのに、首脳らが席につかず、戸惑いを隠せなかった。

李明博(イ・ミョンバク)大統領は議長席に座り、周りを見守った。一部の首脳はお互いに挨拶を交わしていた。ところが、バラク・オバマ米大統領や中国の胡錦濤国家主席、メルケルドイツ首相が集まって、話を交わしている姿が目に付いた。通訳士らが寄り添って3者間の話し合いを通訳していた。同日午前4時ごろになってようやく導き出された仲裁案を中国が拒否した状況で、この事案を巡り調整を行っていたのだった。

李大統領は、参謀らに対し、「会議開始の時刻は過ぎたが、あの話し合いをとめてはならない。『ソウルコンセンサス(合意)』の導出に向け、大変重要なことだ」と語った。会議開始の時刻がしばらくすぎた後も、彼らの「立ちっぱなし協議」は続けられ、彼らの協議の結果は、今回のG20ソウル首脳会議の合意へとつながったといううわさだ。

G20準備委は、今回の会議で首脳らに対し、行事の開始時刻を知らせるため、韓国的な効果音を使うことを決め、聖鄹(ソンドク)大王神鍾(エミレ鐘)の音を録音した効果音を用意した。数秒おきに3回鳴るこの鐘の音は、11日夕方、国立中央博物館での晩餐会の際は、レセプションの終了や晩餐会の開始を知らせ、12日の初会議を開始する案内向けに活用された。

しかし、エミレ鐘の音は、それほど効果はなかった。そのため李大統領は12日午前、「計画にはなかったが、司会者である自分が直接ベルを鳴らしながら進めたいと思う、鐘を用意しろ」と実務者らに対し指示した。G20準備委は、大急ぎで金属製鐘を用意し、同日午後からは、李大統領が直接鐘を鳴らしながら、首脳らを会議に集中させたという。

G20準備委がCOEXを会議場と決めたことで悩んだのは、会場の外の騒音をどう食い止めるのかという問題だった。各国や国際機関から来た随行員200人余りが待っている間の私語が、会場に聞こえる可能性があったからだ。これを受け、G20準備委は、随行員らのための別の待機室を儲け、新聞紙サイズのボードに英語で、「SILENCE(静かに)」と書いた表示板を用意した。会場周辺が騒々しくなると、ボランティアらはそのたび、表示板を手にし、会場周辺を回った。一人の関係者は、「表示板は完璧な効果を生み出した」と評した。



srkim@donga.com spear@donga.com