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ドル大量流入に対する期待感増大 流動性ラリーは来るか

ドル大量流入に対する期待感増大 流動性ラリーは来るか

Posted November. 04, 2010 07:22,   

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3日(現地時間)、米連邦準備制度理事会(FRB)・連邦公開市場委員会(FOMC)による量的緩和措置を控え、国内金融市場の各分野で、敏感な反応を見せている。量的緩和とは、基準金利をこれ以上、下げられない場合、中央銀行が市場に資金を供給し、景気刺激を行う方法だ。米国がドルを供給すれば、国内に流れ込む海外資本が増えるだろうという予測を受け、ウォン高と株高が同時に進み、時価総額も史上最高値を記録した。国内に流動性が溢れ、政府も資本の急激な流出入を食い止めるため、追加対策を発表する見込みだ。

●ドル供給拡大、株価や為替相場の乱高下

米FOMCを控えた3日、ソウル外国為替市場での対ドルウォン相場は、6ヵ月ぶりに1ドル=1110ウォン台へとウォン高ドル安が進み、1110ウォン台の崩壊まで秒読みに入った。同日の対ドルウォン相場は、前日の終値比3.40ウォン高ドル安の1ドル=1110.20ウォンで取引を終えた。為替(終値基準)が1110ウォン台へと突入したのは、約6ヵ月前の4月27日の1ドル=1110.1ウォン以来、初めてのこと。

豊富なドル供給により、ドル安が進み、ウォンの需要は増えるだろうという予測を受け、ウォン高ドル安へ進んだものと見られる。外国為替市場の関係者は、「米の中間選挙で、景気刺激に積極的な共和党が、下院で多数党になると見られ、追加の量的緩和規模が増大しかねないという予測が説得力を得ている」と語った。

さらに、前日、韓国銀行の金仲秀(キム・ジュンス)総裁は、「主要20カ国・地域(G20)ソウル首脳会議の議題として扱われる国際金融安全網構築は、外貨保有高拡大の必要性を減少させることに貢献するだろう」と明らかにし、これが当局の買い付けによる介入度合いが弱まりかねないという解釈へとつながり、ウォン高に火がついた。

専門家らは、ウォン安は不可欠だが、問題は「スピード」と口をそろえており、スピード調整に向け、G20ソウル首脳会議では、通貨戦争に実効性のある措置が出されるべきだと指摘した。

総合株価指数(コスピ)は同日、前日より17.93ポイント(0.93%)高の1935.97で取引を終え、再び年間最高値を更新した。これは、07年12月6日の1953.17以来、2年11ヵ月ぶりの最高値である。米の中間選挙の結果が次第に明らかになり、それを見守っていた外国人らが、買い付けを再開したためだ。同日、外国人らは、国内証券市場で1800億ウォン分を買い越した。

三星(サムスン)証券・リサーチセンターのオ・ヒョンソク投資戦略チーム長は、「米国が量的緩和の実施後、資金が韓国など新興国証券市場に流れ込み、流動性ラリーが始まるのでは、という期待心理が高い」と話した。時価総額も同日、1073兆2219億ウォンと、史上最高値を記録した。

外国人の債権投資額は、1年ぶりに最高値を記録し、外国投資家の国内債権保有高は、史上最高値水準の80兆ウォンに迫っている。

●輸出企業各社、赤信号

外国人の資金が、国内証券市場や債券市場に早いスピードで流入したことを受け、ウォン高が進み、政府の外貨流動性管理にも、「赤信号」が灯っている。尹遝鉉(ユン・ズンヒョン)企画財政部長官は3日、国会・経済分野の対政府質疑で、「可能な全ての案について検討しており、状況に合わせ、採択すべき政策があれば、国会に報告するつもりだ」と明らかにし、対策発表が迫っていることを示唆した。政府は、満期1年未満の短期外債に賦課金をかける「銀行賦課金」制度と、昨年5月の外国人による債券投資への利息所得非課税の恩恵廃止案を真剣に検討している。

来年の経営計画を立てている輸出企業界にも、赤信号が灯っている。韓国貿易協会・動向分析室の李スンジュン研究員は、「1ドル=1100ウォンは、輸出企業にとっては、一種の心理的マジノ線だ」とし、「それ以上ウォン高ドル安が進めば、情報技術(IT)や自動車など輸出主力業種は、負担を感じることになるだろう」と見込んでいる。



achim@donga.com artemes@donga.com