北朝鮮が、08年10月以降中断されていた南北将官級軍事実務会談の開催を提案してきたと、軍当局が16日、明らかにした。
軍当局は、「北朝鮮側が15日午前、西海(ソヘ・黄海)地区の軍の通信を通じて、双方の軍事的合意の履行にともなう懸案を協議するために、24日、板門店(パンムンジョム)の韓国側地域(平和の家)で南北将官級軍事実務会談の開催を求める内容の電話通知文を送ってきた」と明らかにした。
軍は、「北朝鮮側が言及した懸案は、北朝鮮がこれまで提起してきた民間団体のビラ散布問題や韓国の西海上の北方限界線(NLL)付近での海上訓練に関連したものと判断される」と付け加えた。南北は04年6月4日、将官級会談で、西海上の偶発的な衝突防止と軍事境界線地域での宣伝活動の中止や宣伝手段の除去に合意している。
これに対して政府は、「今のところ受け入れるかどうか肯定的にも否定的にも話すことはできない」と明らかにした。国防部は、報道資料を通じて、「天安(チョンアン)艦沈没事件を認め、謝罪するなどの北朝鮮の責任ある措置がない。議題への政府の立場がまだ整理されていないため、受け入れるかどうか、関連省庁で慎重に協議している」と説明した。
北朝鮮の軍事実務会談の提案は、北朝鮮が対韓国融和攻勢に向けて稼動できるすべての対話チャンネルを動員していることを示している。北朝鮮は、韓国の水害支援の提案を受け入れ、離散家族の再会を提案し、10日に赤十字実務接触の開催を申し出た。準当局間接触である赤十字接触は17日、開城(ケソン)の子男山(ジャナムサン)ホテルで開かれる。
軍事実務会談が実現すれば、天安艦沈没事件後初めて南北当局間の公式会談が開かれることになる。北朝鮮は、対話の議題を水害支援や離散家族の再会という人道的支援分野から、ビラの散布や西海NLL問題などの南北間対立の核心である政治軍事分野に拡大している。北朝鮮は今年5月25日、「李明博(イ・ミョンバク)政権の任期期間に当局間対話や接触は一切ない」と宣言していた。このため、北朝鮮の今回の提案は突発的なことではなく、南北当局間の非公式対話によって事前に調整されたものではないかという観測が流れている。赤十字実務接触に続き軍事実務会談まで開催されれば、南北首脳会談の開催や経済支援問題など両者が望む懸案を協議できる土台ができるためだ。
しかし、今回の提案が北朝鮮の一方的な措置の場合、韓国がこれを拒否する可能性も排除できない。政府消息筋は、「北朝鮮が電話通知文に明示した議題を見ると、生産的な会談にはならなさそうだ。あのような議題なら、現在のところ受け入れるかどうかは不透明なのではないか」と話した。
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