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6者再開に舵切る北朝鮮、韓国は「天安艦事件が先決」の基調維持

6者再開に舵切る北朝鮮、韓国は「天安艦事件が先決」の基調維持

Posted July. 12, 2010 04:54,   

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北朝鮮の外務省報道官が10日に6者協議の再開を主張したことは、北朝鮮なりの「天安(チョンアン)艦出口戦略」によるものとみえる。北朝鮮は、天安艦事件が国連安全保障理事会に提起された後、北朝鮮を糾弾する決議文や議長声明が出た場合、激しい対決を覚悟しなければならないと脅しをかけた。しかし、北朝鮮が憂慮したよりも強度の弱い議長声明が採択されると、対決よりも対話に方向転換をする必要があるという現実的な判断を下したものとみえる。

●北朝鮮の出口戦略、本格化するか?

北朝鮮外務省報道官の6者協議提案に対して、専門家らは、天安艦事件にともなう守勢局面から抜け出す局面転換用と見ている。高麗(コリョ)大学の柳浩烈(ユ・ホヨル)教授は、「安保理議長声明が攻撃の主体に北朝鮮を明示しない点を肯定的に受け入れ、天安艦局面から対話局面に脱却する出口を提示したと思われる」と分析した。西江(ソガン)大学の金英秀(キム・ヨンス)教授は、「北朝鮮が天安艦事件の局面を終結する出口戦略のイニシアチブを先に握った」と強調した。

さらに、北朝鮮が、「天安艦事件をこれ以上問題にする場合、武力で対応する」と威嚇したことは、韓国と米国への「もうやめよう」というメッセージと分析される。これは、韓米両国が、安保理議長声明の発表後に実行に入ると予告した新たな対北朝鮮制裁に対する先制的な反発の性格も帯びている。特に、北朝鮮は9日、国連軍司令部に天安艦事件を話し合う大佐級の事前対話を提案した。

北朝鮮の6者協議の提案は、対韓国、対米挑発を強行した後、対話のために危機管理の局面をつくる伝統的な「先軍外交」のサイクルを再び開始するという信号の可能性もある。この場合、近く、米国、韓国との直接対話など、積極的な方法を使って関係回復に乗り出す可能性もある。北韓国大学院大学の梁茂進(ヤン・ムジン)教授は、「北朝鮮は、韓国、米国との関係正常化を通じて深刻な経済難を解消し、後継構図の安着に向けた対外環境づくりに乗り出す必要がある」と指摘した。

北朝鮮は09年に、長距離ロケット発射(4月)や2回目の核実験(5月)などの強攻策を取り、7月から突然、ムードを反転させて、韓国と米国に対話を提案した。今回も、天安艦事件を通じて韓半島問題の国際的な争点化に成功したと判断し、6者協議の再開を名分に再び危機管理を図ろうとする動きと見ることもできる。

●政府は「ローキー」対応

政府は依然として、6者協議の再開は「天安艦事件解決が先決」との基調を維持している。安保理議長声明の採択は、外交的には天安艦問題の一つの過程を終えたものだが、まだ北朝鮮が実質的に謝罪したり再発防止を約束したわけではないためだ。

政府は、安保理議長声明の10項にもあるように、対話と交渉のためには、北朝鮮が韓半島の懸案をまず解決しなければならないという立場だ。今回の事件を謝罪し、責任者に対して適切な措置を取り、再発防止を約束しなければならないということだ。ただ政府は、北朝鮮のばかげた主張に対応はしないが、北朝鮮の提案に対しては当分の間、北朝鮮の真実性を確認する過程を経る「ローキー(low key)」対応が必要だと判断している。

政府は、北朝鮮の6者協議の提案を本当の態度変化と見ることは難しいという立場だ。北朝鮮は、天安艦事件が発生する以前も、国際社会が要求する非核化よりも平和協定の締結と対北朝鮮制裁の解除、米朝直接対話を要求してきた。政府当局者は、「天安艦事件後、北朝鮮の態度に真実性が見られなかった。このような態度を変えずに6者協議を開いて合意をしたとしても、何の意味があるだろうか」と話した。結局、6者協議を開くには、北朝鮮が非核化の意志と態度を明確にしなければならないということだ。

ただ、政府は、北朝鮮の態度を確認する過程は必要だと判断し、対話と制裁を並行するツートラック(two track)戦略を維持するという基本ガイドラインを設定したもようだ。特に、中国が6者協議の再開を通じて、非核化と天安艦問題を包括的に解決しようと求める可能性があると考えている。このため政府は、「北朝鮮の態度変化が優先だ」という基調の下、北朝鮮の非核化にプレッシャーをかけるという戦略だ。また、当分の間、韓米連合演習による対北朝鮮態勢を堅固にし、同盟国と友好国による対北朝鮮制裁の枠組みを維持するという構想だ。



spear@donga.com kyle@donga.com