Go to contents

[オピニオン]「生きた標的」

Posted July. 07, 2010 06:31,   

한국어

中国の人民解放軍の羅援少将は5日、香港の鳳凰衛星テレビに出演し、「米空母が西海に入れば、生きた標的になるだろう」と強気の発言をした。彼は、「ベッドのそばにいびきをかく人も近づけないのに、玄関前で他人が剣舞を踊らせるようにするわけにはいかないだろう」と述べ、「中国は、魚ではなく虎やライオンだ」とも述べた。中国共産党機関紙「人民日報」傘下の環球時報も5日付の記事で、米空母ジョージ・ワシントンが韓米合同軍事演習のために西海に入ってくれば、中国は特段の措置で米国を言い聞かせるべきだと主張した。

◆中国は、独立運動を展開させている新疆ウイグル地区とチベットを「中核の利害地域」と位置づけ、両地域問題についてはいかなる譲歩や妥協も行わない方針だ。台湾は、実質的な独立国であるにもかかわらず、中核の利害地域と位置づけ、台湾を中国の一部として認めた国に限って国交を樹立している。南シナ海には、中国、ベトナム、フィリピンが領有権を激しく争っている西沙南沙郡島がある。今年3月訪中した米ジェームズ・スタインバーグ米国務副長官は、中国から「南シナ海を中国の主権および領土保全と関連した中核利害地域としてみなす」という通知を受けたという報道もあった。

◆中国の領土欲には切がない。韓国事情に詳しい金燦榮・人民大教授は最近、「西海は、南シナ海と同じように台湾、チベット、ウィグルのように中国の中核利害地域だ」と述べた。中国は、島の鎖を意味する「島鍊」概念で米国を阻止しようとしている。サハリンから日本列島—沖縄—台湾—フィリピンへと、島がつながっているが、これが「島鍊」なのだ。「島鍊」の西側の海は、中国の中核利害地域であるため、「島鍊」で米艦隊を防ぐべきだという戦略だ。

◆西海での韓米合同軍事演習は、「島鍊」内へ米艦隊が入ってくるものなので、中国が手を拱いているわけにはいかないという話だ。しかし、中国が開発中の「空母キラー」と呼ばれている対艦弾道ミサイルは、まだ米艦艇に正確に命中できない。長距離ミサイルもまだ開発できずにいる。その代わり、彼らが持っている「東風」大陸間弾道ミサイルを改造し、空母の前端を攻撃できる。莫大な威力を持つ核ミサイルだ。これに対し、米国は海上ミサイル防衛(MD)システムで対抗する。哨戒艦天安(チョナン)沈没事件の水面下で行われている米中間の覇権争いが激しい。

李政勲(イ・ジョンフン)論説委員 hoon@donga.com