24年ぶりである。サッカー韓国代表の許丁茂(ホ・ジョンム、55)監督とアルゼンチンのディエゴ・マラドーナ監督。2人は1986年メキシコワールドカップ(W杯)で選手として顔を合わせて以来24年ぶりに、今度は監督として再び対戦することになる。
韓国は17日の午後8時30分、ヨハネスブルクのサッカーシティスタジアムでアルゼンチンとW杯南アフリカ共和国大会のB組1次リーグ第2戦を行う。第1戦で勝利をゲットした両監督がグループ1位の座をめぐって熾烈な争いを展開する場であるだけに、その結果に関心が集まっている。特に、両監督は2人とも試練を乗り越えて自分ならではのリーダーシップでチームを牽引しているという点でさらに大きな関心を集めている。
●許丁茂、疎通と肯定のリーダーシップ
許監督は、07年12月、代表監督を受け持った時に期待より懸念が多かった。「珍島(チンド)犬」という異名から分かるように、頑固で絶対的な自分のスタイルを変えないことで有名だった。徹底的な指示型指導者だった。1998年の五輪と代表チームの監督に就任したものの、00年シドニー五輪と同年のアジア大会で成績不振で退いた。
代表監督に就任してからも許監督のスタイルは変わらなかった。従来のスタイル通り代表チームを運営した。選手団にも許監督はやや権威的な姿を見せたりもした。このようなやり方が効果がないことに気づいた許監督は思い切って自分のスタイルを捨てた。そして、疎通と肯定、和合を強調した。
朴智星(パク・ジソン=マンチェスター・ユナイテッド)が主将になってから、許監督は朴智星と多くの対話を交わし、選手らのニーズを把握して反映してきた。指示ばかり出していた前のやり方に代わりに、疎通のカードを選んだ。選手同士に心を打ち明けて話し合う時間を与えたりもした。
李栄杓(イ・ヨンピョ=アルヒラル)は、「(監督が)オーストリア・キャンプの時から選手同士の対話を誘導した。今は2〜3人だけ集まっても試合についての考えを自由に話し合う」と話す。
許監督が読む本からも変化が感じられる。今年1月の南ア・キャンプの時は「肯定が傑作を作る」という本を読みながら、肯定的な考え方を選手たちに周知させた。オーストリア合宿の時は親和のリーダーシップについて書かれた「暖かいカリスマ」を読んだ。疎通と肯定の力でゆるぎない団結を可能にした。
●マラドーナ、実兄のようにスキンシップリーダーシップ
マラドーナ監督は、許監督より1年遅い08年10月、アルゼンチンの監督に就任した。現役時代、選手としては華やかだったが、監督は初めてだった。内外を問わず100人あまりの選手らを呼び込んで技量をテストしながら熱意を燃やしたが、成績は良くなかった。W杯南米予選で期待以下の不振(8勝4引き分け6敗)で4位にとどまり、ぎりぎりで本大会進出に成功した。マラドーナ監督について資格の是非をめぐる議論が起こったのは当然なことだった。取材陣に暴行を加えるなど、相次ぐ突発行動でマスコミから批判の矛先が向けられたりもした。
しかし、このような議論の中でもマラドーナ監督は12日、W杯本大会で初戦の相手であるナイジェリアを1対0で勝って幸先のよいスタートを切った。資格是非の議論も姿を消した。特に、砂粒のようなアルゼンチンの組織力は、マラドーナ監督の下で一丸になった。マラドーナは特有の親和力で選手たちに監督ではなく兄貴のような存在として近付いたのだ。
南アフリカでアルゼンチンがトレーニングをする時、マラドーナ監督は休む暇もなく走ったり歩いたりする。選手たちがミニゲームでゴールを決めると、拍手しながら抱き抱える。ホイッスルを首にかけて直接審判の役割もする。選手たちが飲み物を飲みたがると、直接アイスボックスの方へ走っていって、飲み物を手渡したりもする。フリーキックの練習の時は、自分が直接ボールをキックしたりもする。練習が終わった後は、選手たちのそばへ行ってひとり一人を抱きしめて励ましの言葉をかける。アルゼンチンの選手たちはこのようなマラドーナ監督の情熱と親和力で一つになった。
creating@donga.com