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[オピニオン]対北朝鮮制裁調整官

Posted June. 14, 2010 08:17,   

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ヒラリー・クリントン米国務長官は10日、ロバート・アインホーン国務省特別顧問(不拡散・軍縮管理担当)に、対北朝鮮・イラン制裁の調整官を兼務させた。一部の国内メディアは、「北朝鮮が死神に会った」と報道した。しかし、小さな体に普通の人の1.5倍ほどの大きな耳の彼の容姿は、死神とは程遠い。アインホーン氏は、コーネル大学とプリンストン大学の国際関係大学院を卒業し、72年から01年までの29年間、主に核などの大量破壊兵器の不拡散問題を扱ってきた。合理的中道派と言われる北朝鮮専門家だ。

◆ビル・クリントン大統領時代に国務次官補を務めたアインホーン氏は、08年、民主党大統領候補を選ぶ党内選挙で、ヒラリー・クリントン候補陣営に加わり、「国務部の実力者」と言われた。オバマ政府の対北朝鮮政策の実力者であるキャンベル国務次官補と・ウォルフスタール副大統領特別補佐官とも近い。ブッシュ政府時代に「在野」だった戦略国際問題研究所(CSIS)で苦楽をともにした仲だ。対北朝鮮制裁調整官は、国連の対北朝鮮決議案1781号と1874号の履行を含め、北朝鮮の核拡散防止に向けた米国の様々な制裁を調整することが任務だ。専門性と幅広い人脈が必要だ。

◆海軍哨戒艦「天安(チョンアン)」事件で、国際社会の対北朝鮮制裁がどのような水準でなされるのか、関心が集まっている。中国が対北朝鮮制裁に否定的なので、米国、韓国、日本の独自制裁に流れる可能性も排除できない。そのため、既存の国連の対北朝鮮決議案がより一層徹底して履行される必要がある。これまでに最も効果があった米国の対北朝鮮制裁措置は、世界各国の金融機関の「金正日(キム・ジョンイル)統治秘密資金」口座を捜し出し、凍結させたことだった。

◆アインホーン氏は、90年代に米朝ミサイル交渉を主導し、00年10月、国務次官補(軍縮担当)時代に、オルブライト長官に随行して2度も金正日総書記に会った経験もある。「北朝鮮との交渉は継続し、プレッシャーを与えなければならない過程だ。いかなることも容易には実現しない。忍耐を持って追求し、北朝鮮が協力しない場合、コストを支払わざるを得ないという事実を自覚させなければならない」。アインホーン氏が長年の経験から北朝鮮の体質をよく知っているという点が、天安艦事件後の新たな任務の遂行にどれだけ役立つか、注目される。

権順澤(クォン・スンテク)論説委員 maypole@donga.com