Go to contents

[オピニオン]白翎島の海の贈り物

Posted June. 01, 2010 07:30,   

한국어

切断された海軍哨戒艦「天安(チョンアン)」の船体を見に行く日は、曇り空だった。31日、漢江(ハンガン)で軍のヘリコプターに乗り、平澤(ピョンテク)第2艦隊司令部に向かった。3月26日に沈没し、66日が経った。ヘリコプターの窓の外に、ソウル市内や冠岳山(クァンアクサン)、清渓山(チョンゲサン)、京畿(キョンギ)平野、西海(ソヘ)岸高速道路の平和な姿が広がった。飛行17分で司令部に到着した。艦首にはっきりと「772」の番号が残っている天安艦の悲惨な姿を目にし、様々な思いが脳裏をよぎった。テレビで沈没や将兵の救助シーンを見た悪夢の時間、犠牲者の遺体や船体の引き揚げ、原因の調査、政界と社会の深刻な葛藤…。

◆案内をしてくれた朴ジョンス合同参謀戦力企画第2次長(海軍准将)は、あの日の痛恨の思いを抑えられず、声を震わせた。朴准将は、「床屋に行っても、天安艦の話が出れば恥ずかしい思いだ」と話した。そして、「若い兵士が犠牲に、軍が責任を痛感しなければならない」と覚悟を新たにした。引き裂かれ、ぼろぼろになった船体の下の階のガスタービン室とディーゼルエンジン室の周囲の鉄骨とパイプライン、電線、通信ケーブルが、爆発の瞬間の惨状を物語っていた。

◆北朝鮮は、「選挙用のねつ造劇」と主張し、居直りで対南脅迫に力を入れている。記者会見を行い、回収された魚雷スクリューに書かれた「1番」について、「バスケットボールの選手ですか、サッカーの選手ですか」ととぼけた。30日の日曜日には、10万人の平壌(ピョンヤン)市民の群衆大会を開いた。韓国側の一部野党と親北朝鮮左派勢力も、国内外の専門家ら73人の科学的な結論に目を閉じている。さらに、進歩新党は、北朝鮮、中国、ロシア、中立国との共同調査を要求した。いっそ、正直に北朝鮮に免罪符をあげたいと言った方がましだろう。

◆それでも、大韓民国は運がいいと思った。最終発表を5日後に控えた5月15日、金泰栄(キム・テヨン)国防長官は、白翎島(ペクリョンド)の現場から「魚雷スクリューを回収した」という報告を受けた。初めは信じられず、「船の一部ではないか」と聞いた。金長官は、米国に行っていたシャープ韓米連合司令官と電話会談を行い、現場を携帯電話で撮った魚雷スクリューの写真を持って、大統領に報告した。北朝鮮の犯行の可能性を「95%程度」から100%に高めた「海の贈り物」だった。

陸貞洙(ユク・ジョンス)論説委員 sooya@donga.com