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[オピニオン]ピバダ歌劇団

Posted May. 07, 2010 07:21,   

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北朝鮮は5大革命歌劇として、「花売り娘」や「ピバダ(血の海)」、「党の真なる娘」、「金剛山(クムガンサン)の歌」、「ジャングルよ、語りなさい」を掲げている。この中でも「ピバダ」は、金日成(キム・イルソン)の、いわば主体的文芸思想を丸ごと表している北朝鮮最高の革命歌劇と自負されている。原題は、金日成が1936年、満州で作ったという「血海」と言われている。北朝鮮は、外国から客が訪問すれば、「ピバダ」を鑑賞するよう、強く勧める。

◆「ピバダ」という名前も殺伐だが、外部の目から見れば、芸術性など全くない体制宣伝道具に近い。この歌劇だけでなく、北朝鮮の全ての芸術分野は、韓国の洗練された眼から見れば、限りなく幼稚なものである。文化革命期に、演劇や映画を社会主義のイデオロギーや宣伝扇動道具とみなしていた中国では、頳小平による改革開放以後、芸術性や商業性を強調する方向に変貌した。北朝鮮の芸術は、金日成や金正日(キム・ジョンイル)体制を正当化する剥製化の状態から抜け出せずにいる。

◆「ピバダ歌劇団(Sea of Blood Opera Company)」は、北朝鮮の代表的公演芸術団体だ。1946年に創立された北朝鮮の歌劇団は、1971年、革命歌劇「ピバダ」を初公演し、国立歌舞団やテレビ音楽団を吸収・統合し、現在の名前に変わった。団員数は380人あまり。北朝鮮の金正日総書記が6日夕方、北京テレビ大劇場で中国の胡錦濤国家主席と一緒に、北朝鮮ピバダ歌劇団の「紅樓夢」を鑑賞した。「紅樓夢」とは、中国明時代の貴族らの華麗な生活ぶりや喜びと悲しみを描いた古典小説。封建主義打倒の理由を教えていると言われ、社会主義の教科書のように受け止められている。

◆ピバダ歌劇団の「紅樓夢」は、中国の代表作を北朝鮮の代表的歌劇団が脚色したということから、中朝間の友好のシンボルとみなされてきた。1961年、金日成主席と中国の指導者、頳小平が一緒に、中国で鑑賞し、昨年、「中朝、親善の年」を迎え、金委員長の指導を受け、現代版歌劇として生まれ変わった。同年10月、北朝鮮を訪問した温家宝首相も、金総書記の案内を受け、平壤(ピョンヤン)大劇場で観覧した。金総書記は、得意満面の笑みを浮かべながら、胡首席と「ピバダ歌劇団」による紅樓夢を楽しんだ。大韓民国の海軍46人の血が、西海(ソヘ)の海を彩った直後であり、「ピバダ」が与える感じが気になる。

朴成遠(バク・ソンウォン)論説委員 swpark@donga.com