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[オピニオン]奨学士プリー・バーゲニング

[オピニオン]奨学士プリー・バーゲニング

Posted February. 10, 2010 09:31,   

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検察が、犯罪を自白した被疑者を軽い疑いで起訴したり、刑量を軽くする制度が、プリー・バーゲニング(有罪答弁取引)である。被疑者が有罪を認める事件まで陪審裁判を行うのは不合理だという理由で、英米から始まりフランス、イタリアのような大陸にまで拡大した。罰金の金額が高いスピード違反や交通信号の違反で摘発された運転者が、交通警察官に「罰金の安い違反にしてもらいたい」と訴え、軽微な駐車違反のステッカーをもらっていたら、プリー・バーゲニングを活用したことになる。しかし、韓国はこの制度を採択していない。

◆プリー・バーゲニングは、自白がないと証拠の確保が難しい麻薬や賄賂事件の捜査に、主に利用される。韓国の検察が、大きな汚職事件の捜査で、事実上プリー・バーゲニングを適用してきたのは、公然とした秘密だ。犯罪の手口が、日増しに巧妙化する現実を考慮すれば、捜査を効率的にできるというメリットがある。自白を強引に引き出すための過酷行為への誘惑を減らし、捜査と裁判のコストを削減できるというのも、賛成論の根拠となっている。しかし、米カリフォルニアやミシガン州の一部地域やアラスカ州は、この制度を廃止したほど、賛否をめぐる議論が続いている。

◆プリー・バーゲニングと似たような制度として、免責条件付き証言取得制度(Immunity)がある。被疑者にもなりえる参考人が、他の人の犯罪を証言すれば、参考人の罪を減らしたり、無くす制度だ。ソウル市教育庁奨学士試験賄賂事件を捜査してきた検察が、1100万ウォンと500万ウォンの賄賂を提供した教師らに対し在宅起訴し、お酒を飲んだ勢いで2000万ウォンを渡したことを暴露した奨学士コ某さんは起訴されず、疑問が提起されている。検察はコさんが情報提供者に当り、お金の性格も起訴された2人とは、違うと話しているのが納得し難い。

◆検察が結局、コさんを起訴しなかったら、免責条件付き証言取得制度を適用したことになるわけだが、プリー・バーゲニングのような法的根拠がない。検察は05年以降、3度もプリー・バーゲニングの導入を推進したが失敗した。犯罪者との取引を容認できない国民の法感情や捜査便宜主義、捜査力の低下への懸念などが解決すべき課題である。ソウル地方弁護士会が最近、所属弁護士を対象に実施した世論調査で、プリー・バーゲニングへの賛成が57%だったとは言え、まだまだ環境が整えられたとは考え難い。

権順澤(クォン・スンテク)論説委員 maypole@donga.com