昨季、ペナントレース1位を占めたプロバスケットボール・モービスが今季も首位を疾走している。華やかなスター選手がいるわけでもなく、2メートル以上の長身選手が1人もいないモービスが首位を維持する秘訣は何だろうか。
モービスのユ・ジェハク監督は、普段、徹底した分業化とチームワークを強調する。自分の役割に充実しながら、チームのために、自分を犠牲しなければならないという意味だ。攻撃と守備が完璧な調和を成しているモービスは、得点(84点)は最も多く、失点(76点)は最も少ない。モービスは試合当り平均10点以上を決める選手が、10チームの中で最多の5人もいる。ところで、15点以上を記録する選手はいない。誰となくみんなが得点に加わるため、モービスの相手チームとしては、誰ひとりにも気を抜くことができず、守備するのがなかなか厳しい。
移籍選手や新人の活躍が目立つのもモービスの強みだ。ユ監督は、電子ランド時代、現代(ヒョンデ)から事実上放り出されたチェ・ミョンドを拾って4強まで進出した。昨季は、金ヒョンジュン、ウ・スンヨン、チョン・デヒョンらを手塩をかけて育てた。今季も三星(サムスン)で引退の危機にまで追い込まれた朴ジョンチョンを救い上げ、戦力アップにつなげた。
このようなモービスの強みは、他のチームにも良き手本とされている。それぞれのチームは、モービスのように組織力を重視しつつ、主力と候補、先輩と後輩を問わず、し烈な競争を通じて焦点を合わせている。2位タイのKTは、平均二桁の得点を記録中の選手は1人しかいないが、平均6〜9点を入れる7人の選手がチームを下支えしている。LGは、移籍してきたペク・インソンの活躍が目立つ。オリオンスは新人のホ・イルヨンと金サンソンを重用して新しい雰囲気を作り出した。
KT&Gのイ・サンボム監督は、「ユ監督は変化に富んだ戦術で相手を惑わせる。モービスの試合ビデオをよく見ながら、分析している」と話した。
今季、コートには「モービス・ウィルス」が流行っている。
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