新しい教科書の執筆陣によると、教科書の草案には、インターネットの虚偽情報が事実のように姿を変え、人々に被害を与える恐れがあるという教訓が、重点的に紹介されている。「休校デマ」のほかにも、「『ミジョンとチョルスがつきあっている』という虚偽の内容がネットに書き込まれ、2人が友人から誤解を受ける被害を受けた」というケースも掲載された。
このような内容が強調されたのは、教科書の内容を企画する段階だった昨年5月、小・中・高校生の間で、米国産牛肉の危険性に関する虚偽の事実がネットを通じて広がり、「米国産牛肉輸入反対のために休校する」というデマが流れたことに影響を受けたものとみえる。このほかにも、故・崔真実(チェ・ジンシル)さんの高利貸し事業説、「ミネルバ」の経済専門家詐称書き込みなどで、ネットの虚偽事実の流布は昨年、大きな論議を呼び起こした。
執筆陣は07年、教育科学技術部が、△ネットで経験する道徳問題、△ネット・マナーの内容や実践方法など、教科書の目次を具体化し、執筆する過程で、虚偽情報流通の被害を含めた。教科書の研究および執筆の責任者である柳炳烈(ユ・ビョンリョル)ソウル教育大学教授は、東亜(トンア)日報の電話取材に対して、「以前はネット倫理を扱い、情報の真実性いかんについてはあまり強調しなかったが、昨年の狂牛病(BSE=牛海綿状脳症)問題を機に、この部分が注目された。小学生が、ネット情報を無批判に受け入れないようにする教育を強調した」と話した。
同教科書は、このほかにも、「チョロクが、ネットのホームページを運営し、友人が書き込んだ悪意のある書き込みに対して、どのように対応するのか悩む」ケースなどを挙げ、悪意のある書き込みの問題を伝え、善意の書き込みをするように指導する内容が含まれている。また、ネット上の人身攻撃や中傷が、個人を傷つけることになることも記述された。このような内容は、4年生2学期の道徳課程で、40分間の授業3回にわたって消化される。教科書審議委員の趙蘭心(チョ・ナンシム)韓国教育課程評価院教育課程教授学修研究本部長は、「最近、小学生の日常生活で、ネット倫理がかなり重要な問題になったと判断している。審議委員たちが教科書内容に同意するムードだ」と伝えた。
同教科書は、草案が完成した後にこれまで2度の審議が行なわれ、さらに2度の審議および修正を経て、来月末頃、最終的に完成する。今年2学期から、一部のモデル学校で活用した後、来年2学期から、全国の教育現場に実際に適用される予定だ。
これに対して、韓国情報社会振興院のチョン・ヒョンミン責任研究員は、「意思疎通の基本前提である信頼が崩れれば、社会の混乱を引き起こす恐れがある。大人と違って、虚偽の事実を区別できない幼い生徒への教育は必要だ」と語った。西江(ソガン)大学社会学科の田尚鎮(チョン・サンジン)教授は、「ネットでの言行に責任を負うように幼い頃から教育しなければならない。ただ、教育内容が強圧的で、虚偽情報の対象が幅広く設定されてはならない」と話した。
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