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[オピニオン]借金調整

Posted April. 10, 2009 09:32,   

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11年前の通貨危機が大手企業を揺さぶったのなら、今回のグローバル実体経済の低迷は、中小企業や小規模の商工業者、家計を直撃している。家計部門は、銀行貸付の延滞率が昨年末の0.60%から、今年2月末は0.89%へと跳ね上がり、不良の度合いが深刻化した。融資返済が厳しくなると、利息の減免を受ける個人ウォーク・アウト制度を利用する人も大幅に増えた。1月から3月にかけて信用回復委員会に寄せられた相談件数だけみても、昨年同期より94%増の14万7000人、支援の申請者は55%増の2万4000人に上る。

◆中間層の復活や低所得層への支援を打ち出した信用回復支援プログラムが、昨年末から殺到している。さまざまな方法で利息や元金の50%まで削減する。裁判所の破産制度は、「誠実ではあるが、不運な債務者」の借金を最大100%まで免除してくれる。問題は制度を悪用する債務者である。ある公務員の家族3人は、銀行から1億ウォンずつ、計3億ウォンを借りた後、消費者金融を利用しているかのように偽書類を作り、財産がないように見せかけ、個人再生の申請を行い、負債の免除を要求した。インターネットでは、「カード延滞は、2年間支払うことを拒んだ後、第3者を立てて交渉せよ」など、利息免除や債権取立てを避けるための方法が、有料で販売されている。

◆債権者のモラル・ハザードに対する懸念が高まっている中、事前債務調整(ウォーク・アウト)制度が13日から、1年間実施される。従来のウォーク・アウト制度を利用できない3ヶ月未満の短期延滞者がその対象となっている。審査に通れば、延滞利息は全額、貸付利子は30%程度減免を受ける。金融委員会は、「金融当局が利子減免制度を設けるのは望ましくない」としながらも、「景気低迷を受け、このようなやり方で信用不良者を減らすことになれば、借金を抱えている家計や金融機関共に、損失を最小限に止めることができる」と語った。

◆朝鮮王朝実録・世宗(セジョン)巻(1439年)には、今の監査院に当たる司憲府が、「愚かな国民が僥倖に頼る心を持たないよう、負債を免除してはならない」と上書した記録がある。勿論、それ以来、何人かの王が干ばつなどによって貧しくなった国民の負債を免除した記録が、時々出ている。古今を問わず、やむなき支援であっても、適正な水準に抑えるべきだ。善意の支援制度が、「借りた金を返済せずに済む」という誤った認識を与えることになれば、信用社会は揺らぐことになる。

洪権憙(ホン・グォンヒ)論説委員 konihong@donga.com