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[オピニオン]ヒューマン・ニューディール

[オピニオン]ヒューマン・ニューディール

Posted March. 24, 2009 09:40,   

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大統領直属の未来企画委員会が、中産層を守るため「ヒューマン・ニューディール」を打ち出した。ヒューマン・ニューディールとは、教育費、住居費、医療費を軽減し、人的資源の投資から未来の中産層を育てようということだ。これまで政府が、打ち出した景気てこ入れ策が「建設事業」に偏っているという批判を意識したらしく、成長エンジンをヒトから見い出すという考え方を盛り込んでいる。特に、ヒューマン・ニューディールの主要課題として、教育費の削減や入試制度の改善を掲げているため、目標が相当水準まで成し遂げられれば、拍手を受けるに値する。

◆貧富格差の拡大は、世界的な現象だ。韓国も所得分配の不平等の度合いを示すジニ係数が、1998年0.295から07年には0.366へ悪化した。ジニ係数が1に近いほど、不平等の度合いが高い。昨年、家計の実質所得が減少し、韓国内で中産層を支えていた両大軸の不動産市場、株式市場が共に委縮したため、中産層から離脱してしまう人が増えている。いわゆる新貧困層だ。中産層がいったん貧困層に転落すると、再び中産層になるのは至難の業だ。

◆経済危機の状況下で、ほとんどの国が社会の中枢の役割を担う中産層の崩壊を防ぐため、所得を増やしたり、消費支出の負担を減らす対策を施行している。バラク・オバマ米大統領は、「強い中産層、強い米国」というスローガンを掲げ、国民の95%を中産層に育成するという大規模な計画を推進している。具体的な戦略は、グリーンカラーの働き口の創出、雇用創出企業に対する税制上の優遇、勤労階層に対する減税、公教育の強化などだ。日本も企業で解雇される勤労者が増えると、住宅補助や再就業支援政策を積極的に展開している。

◆李明博(イ・ミョンバク)政権は、国民の目を引く造語を大量に作り出した。環境分野で働き口を創出するという「グリーン・ニューディール」に「スモールディル(small deal)」「実践内閣」「速度戦」「ウォールーム(非常経済状況室)」「偉大な国民のための元老会議」等々、覚え切れないほど様々な国政関連造語を送り出した。全ての政策手段を動員し、中産層を守るとしているところに、わざと文句をつけるつもりはない。しかし、李政権がこれまで大袈裟な「看板」にふさわしい成果を出しているかまず聞きたい。ヒューマン・ニューディールもその名に値するほどの成果を上げるのが肝心だ。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com