最近は「名声」を失ったが、00年代初めまでは、マラッカ海峡の海賊は悪名をとどろかせた。南シナ海とインド洋を結ぶマラッカ海峡は、狭くて暗礁が多く、活動に適したためだ。インド洋から紅海に続くアフリカ・ソマリアのアデン湾もそうだ。じょうごのような形で、海路が突然細くなる。アフリカ南端の喜望峰を経由せず、すぐにスエズ運河に入ることができる唯一の航路なので、全世界の石油タンカーの30%を含め、年間1万6000隻の船がこの海路を往来する。韓国船舶も、年間約460隻がここを通過する。
◆05年には約100人だったソマリア海賊が、今は1000人以上に増えた。海賊が身の代金として受け取った金は、年間1億ドルにもなるという。今年に入って、9月までに全世界で計199件の海賊行為があったが、ソマリアだけで63隻が襲撃された。船舶の保険料も10倍に跳ね上がった。攻撃の様相もますます大胆になり、9月には戦車33台を積んだウクライナの貨物船が襲撃され、17日には、米国の航空母艦ほどの大きさのサウジアラビアのタンカーが襲撃された。大宇朝鮮(デウ・チョソン)海洋が、今年の3月に引導した超大型タンカーだ。
◆米国の第5艦隊を含め、多国籍海軍が海賊掃討に乗り出したが、「海上ゲリラ戦」には弱いようだ。06年5月のトンウォン号襲撃の後、韓国も艦艇を派遣すべきだとする世論が起こったが、軍が決心できなかったのもそのためだ。倭軍が鳴梁(ミョンリャン)沖合で、李舜臣(イ・スンシン)将軍の12隻に大敗したように、いくら戦力が優勢でも、海路に疎ければ、ひどい目に会う恐れがある。そのうえ遠洋作戦の経験もない。人質交渉で頭を悩ませた外交通商部が艦艇派遣を積極的に主張したが、軍としては気経に出ていくことはできなかったのだろう。
◆しかし、現地調査団が帰ってきて、国防部は「一度やってみる価値がある」という結論を下したようだ。ひとまず、来月、国会に海軍艦艇の派兵同意案を提出することを決めた。海軍は、李舜臣艦など遠洋作戦能力を備えた駆逐艦6隻を保有している。韓国のような「ミドルパワー(Middle Power)」に、大洋海軍が必要なのかどうかについては議論が多い。しかし、準備をしっかりすれば、韓国海軍が一段階跳躍できる機会でもある。
金昌赫(キム・チャンヒョク)論説委員 chang@donga.com






